「ゆう活」の夏
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最近、「ゆう活」というワードを、よく耳にしませんか。
「ゆう活」とは、日照時間が長い夏に、朝早い時間に仕事を始め、早めに仕事を終えることで、まだ明るい夕方の時間を有効に活用して、友人や家族と過ごしたり、習い事などの自己啓発をしたりと、個人の時間を持つ豊かさを目指すものです。
今年は、先ずは中央省庁の職員、地方自治体の職員が実践し、民間企業等にも提案をしていくといったスタイルになりました。
安倍総理が最初に「ゆう活」を提案された時、正直に言うと、私は積極的賛成派ではありませんでした。
第1に、遠方から通勤してくる子育て中の職員のことが心配でした。
霞が関への出勤時刻が1時間早くなった場合、自宅近くの保育所が開所していない時間帯である可能性が高いと考えたからです。
厚生労働省から全国の保育所の開所時間帯の資料を取り寄せてみますと、やはり6時台や7時台前半に地元で子供さんを預けるのは困難だということが分かり、この件は、安倍総理にも資料をお渡しして、相談を申し上げました。
結果的には、安倍総理が「個人のライフスタイルに無理を生じさせない」柔軟な対応を基本にして下さったので、総務省でも、子育てや介護など個人の事情に合わせた出退庁時間の設定によって対応することができました。
第2に、かえって長時間労働を助長する可能性を心配していました。
特に今夏は、通常国会が9月下旬までの大幅延長となりましたから、夏場も、来年度予算概算要求に向けた定番作業に加えて国会対応の業務が続きます。
委員会前日の野党議員からの質問要旨の通告が22時や23時を過ぎることも度々あり、深夜になってから答弁資料の作成や他省庁との調整が始まります。
もしも朝の出勤時間を1時間早めることを強制したら、官僚達が睡眠をとる時間は殆ど無くなってしまいます。
これも、部署によって柔軟に対応してもらうことにしました。
深夜までの勤務になった場合には、翌日の出勤を午後からにするなど、管理職には職員の健康を優先的に考えながらローテーションを組んでいただきました。
第3に、安倍総理からは「総務省から、地方自治体に対しても『ゆう活』の実施を要請すること」を指示されていたのですが、市区町村役場は多様な住民サービスの最前線でもありますから、一律の対応は困難に思えました。
結局、地方自治体には、「各地域の実情に応じて」対応を考えていただくことを要請しました。
間もなく日本政府としては初年度の「ゆう活」期間が終了しますが、私の心配は杞憂に終わった様で、結果的に総務省の「ゆう活」は上手くいったのではないかと感じています。
例えば、「ゆう活」初日の7月1日に実施した職員は、総務省では約16%でした。そのうち約8割の職員が、朝早く来た分、早めに退庁をしました。
定時退庁を目指して、仕事の生産性も上がったのではないかと思います。
大事なのは、朝早くから勤務するということ自体が目的ではないということです。
総務省では、「仕事と同じくらい、1人の人間としての時間も充実していただきたい」という考え方に立ち、各人の仕事やライフスタイルに無理を生じさせない前提で「ゆう活」を実施しました。
しかし、官邸で開催される各種閣僚会議の時間帯が朝7時台になったものも多く、超低血圧で朝の頭の回転が悪い私にとっては、少々辛い夏ではありましたが…。
「ゆう活」とは、日照時間が長い夏に、朝早い時間に仕事を始め、早めに仕事を終えることで、まだ明るい夕方の時間を有効に活用して、友人や家族と過ごしたり、習い事などの自己啓発をしたりと、個人の時間を持つ豊かさを目指すものです。
今年は、先ずは中央省庁の職員、地方自治体の職員が実践し、民間企業等にも提案をしていくといったスタイルになりました。
安倍総理が最初に「ゆう活」を提案された時、正直に言うと、私は積極的賛成派ではありませんでした。
第1に、遠方から通勤してくる子育て中の職員のことが心配でした。
霞が関への出勤時刻が1時間早くなった場合、自宅近くの保育所が開所していない時間帯である可能性が高いと考えたからです。
厚生労働省から全国の保育所の開所時間帯の資料を取り寄せてみますと、やはり6時台や7時台前半に地元で子供さんを預けるのは困難だということが分かり、この件は、安倍総理にも資料をお渡しして、相談を申し上げました。
結果的には、安倍総理が「個人のライフスタイルに無理を生じさせない」柔軟な対応を基本にして下さったので、総務省でも、子育てや介護など個人の事情に合わせた出退庁時間の設定によって対応することができました。
第2に、かえって長時間労働を助長する可能性を心配していました。
特に今夏は、通常国会が9月下旬までの大幅延長となりましたから、夏場も、来年度予算概算要求に向けた定番作業に加えて国会対応の業務が続きます。
委員会前日の野党議員からの質問要旨の通告が22時や23時を過ぎることも度々あり、深夜になってから答弁資料の作成や他省庁との調整が始まります。
もしも朝の出勤時間を1時間早めることを強制したら、官僚達が睡眠をとる時間は殆ど無くなってしまいます。
これも、部署によって柔軟に対応してもらうことにしました。
深夜までの勤務になった場合には、翌日の出勤を午後からにするなど、管理職には職員の健康を優先的に考えながらローテーションを組んでいただきました。
第3に、安倍総理からは「総務省から、地方自治体に対しても『ゆう活』の実施を要請すること」を指示されていたのですが、市区町村役場は多様な住民サービスの最前線でもありますから、一律の対応は困難に思えました。
結局、地方自治体には、「各地域の実情に応じて」対応を考えていただくことを要請しました。
間もなく日本政府としては初年度の「ゆう活」期間が終了しますが、私の心配は杞憂に終わった様で、結果的に総務省の「ゆう活」は上手くいったのではないかと感じています。
例えば、「ゆう活」初日の7月1日に実施した職員は、総務省では約16%でした。そのうち約8割の職員が、朝早く来た分、早めに退庁をしました。
定時退庁を目指して、仕事の生産性も上がったのではないかと思います。
大事なのは、朝早くから勤務するということ自体が目的ではないということです。
総務省では、「仕事と同じくらい、1人の人間としての時間も充実していただきたい」という考え方に立ち、各人の仕事やライフスタイルに無理を生じさせない前提で「ゆう活」を実施しました。
しかし、官邸で開催される各種閣僚会議の時間帯が朝7時台になったものも多く、超低血圧で朝の頭の回転が悪い私にとっては、少々辛い夏ではありましたが…。