暮らしの中で役立つ技術
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総務省のキャッチフレーズは「くらしの中に総務省」です。
これには、「国民の経済・社会活動に関わる諸制度を担う役所」、「暮らしに直結する仕事を幅広く担当する役所」というメッセージが込めてられています。
職員も私も、「総(すべ)て」を「務(つと)める」役所として、総合性を活かしながら、より安全で豊かな暮らしを応援していきたいと存じます。
今回は、総務省所管の研究機関である独立行政法人情報通信研究機構(NICT)で取り組んでいる、どちらかというと裏方で国民生活を支えている技術をご紹介します。
≪その1≫
日本の標準時は、東経135度の子午線と決められていて、ちょうど明石市があります。
では、標準時は明石市で観測して決めているのでしょうか。
実は、東京都の小金井市で作っているのです。
どういうことかと言いますと、小金井のNICTにある非常に精度の高い原子時計から、日本の標準時を作っています。
ただ、地球の自転は年々ほんの少しずつですが遅くなっていますので、原子時計で決めた時刻と、観測上の時刻との差が生じます。
NICTではその差を数年に1度、「うるう秒」という形で挿入し修正して、普段の暮らしに欠かすことのできない標準時を提供し続けています。
≪その2≫
最近、多くの国々の人が観光等で日本を訪れていますが、空港や買い物等の場面で、様々な言語でのやりとりが必要になります。そういった場所では、どんどん通訳の方を増やしているのでしょうか。
実は、多言語の音声自動翻訳技術を使って対応している所が増えてきています。
NICTでは、そのような多言語自動翻訳に使われる13言語間での音声入出力による翻訳が可能(テキストベースなら、なんと27言語間で可能)な技術を開発しています。
約8年前、私が科学技術・イノベーション担当大臣だった時に、官邸で開催された総合科学技術会議の席上で、最初のデモを行いました。
まだ大きな機械で、一般に普及するには高額なものでした。
その後、技術は磨かれ、今では、スマートフォンにも技術移転されており、皆様もいつの間にか使っておられるかもしれません。
成田空港や鉄道、東京マラソンでの外国人からの問い合わせ対応などにも活用され、普及が進み始めています。
しかし、先般の東京マラソンでは、周囲の騒音によって正しい翻訳が出来なかったケースもあり、更なる技術的改善が為されていく予定です。
海外においても翻訳技術が開発されていますが、利用ニーズの高い観光分野等において特に精度の高い翻訳ができるよう開発を進めており、とても実用性の高いものになってきています。
≪その3≫
これからは、スマートフォンだけではなく、電力メーターや農地のセンサーなど色々なモノがインターネットにつながっていきます。
ただ、屋外のモノ同士をつなげようとすると、スマホのように人が充電するわけにもいかず、また、状況に応じてつながる範囲を簡単に広げる必要がでてきます。
そんな時代のために、単3電池3本で10年持ち、手のひらサイズのセンサーを追加設置するだけで簡単にエリア拡張できる特徴を持った通信技術があります。
NICTが開発したWi-SUN(Wireless Smart Utility Networks)という無線通信技術です。
Wi-SUNは、現在、Wi-Fiをお手本に、IEEEでの標準化も終え、普及に向けてWi-SUN Allianceを創設し、現在、国内外の企業約60社が参加しています。
日本発の世界で使える通信技術なのです。
今後、東京電力のスマートメーターの通信規格にも採用され、約2,700万世帯に導入されることになっており、その他、農業や防災などの分野でも活用が期待されています。
さて、最初に紹介した「うるう秒」ですが、今年7月1日に3年ぶりに挿入されます。
午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が挿入されますので、この機会に普段あまり気にすることのない時刻を、感じてみられてはいかがでしょうか。
これには、「国民の経済・社会活動に関わる諸制度を担う役所」、「暮らしに直結する仕事を幅広く担当する役所」というメッセージが込めてられています。
職員も私も、「総(すべ)て」を「務(つと)める」役所として、総合性を活かしながら、より安全で豊かな暮らしを応援していきたいと存じます。
今回は、総務省所管の研究機関である独立行政法人情報通信研究機構(NICT)で取り組んでいる、どちらかというと裏方で国民生活を支えている技術をご紹介します。
≪その1≫
日本の標準時は、東経135度の子午線と決められていて、ちょうど明石市があります。
では、標準時は明石市で観測して決めているのでしょうか。
実は、東京都の小金井市で作っているのです。
どういうことかと言いますと、小金井のNICTにある非常に精度の高い原子時計から、日本の標準時を作っています。
ただ、地球の自転は年々ほんの少しずつですが遅くなっていますので、原子時計で決めた時刻と、観測上の時刻との差が生じます。
NICTではその差を数年に1度、「うるう秒」という形で挿入し修正して、普段の暮らしに欠かすことのできない標準時を提供し続けています。
≪その2≫
最近、多くの国々の人が観光等で日本を訪れていますが、空港や買い物等の場面で、様々な言語でのやりとりが必要になります。そういった場所では、どんどん通訳の方を増やしているのでしょうか。
実は、多言語の音声自動翻訳技術を使って対応している所が増えてきています。
NICTでは、そのような多言語自動翻訳に使われる13言語間での音声入出力による翻訳が可能(テキストベースなら、なんと27言語間で可能)な技術を開発しています。
約8年前、私が科学技術・イノベーション担当大臣だった時に、官邸で開催された総合科学技術会議の席上で、最初のデモを行いました。
まだ大きな機械で、一般に普及するには高額なものでした。
その後、技術は磨かれ、今では、スマートフォンにも技術移転されており、皆様もいつの間にか使っておられるかもしれません。
成田空港や鉄道、東京マラソンでの外国人からの問い合わせ対応などにも活用され、普及が進み始めています。
しかし、先般の東京マラソンでは、周囲の騒音によって正しい翻訳が出来なかったケースもあり、更なる技術的改善が為されていく予定です。
海外においても翻訳技術が開発されていますが、利用ニーズの高い観光分野等において特に精度の高い翻訳ができるよう開発を進めており、とても実用性の高いものになってきています。
≪その3≫
これからは、スマートフォンだけではなく、電力メーターや農地のセンサーなど色々なモノがインターネットにつながっていきます。
ただ、屋外のモノ同士をつなげようとすると、スマホのように人が充電するわけにもいかず、また、状況に応じてつながる範囲を簡単に広げる必要がでてきます。
そんな時代のために、単3電池3本で10年持ち、手のひらサイズのセンサーを追加設置するだけで簡単にエリア拡張できる特徴を持った通信技術があります。
NICTが開発したWi-SUN(Wireless Smart Utility Networks)という無線通信技術です。
Wi-SUNは、現在、Wi-Fiをお手本に、IEEEでの標準化も終え、普及に向けてWi-SUN Allianceを創設し、現在、国内外の企業約60社が参加しています。
日本発の世界で使える通信技術なのです。
今後、東京電力のスマートメーターの通信規格にも採用され、約2,700万世帯に導入されることになっており、その他、農業や防災などの分野でも活用が期待されています。
さて、最初に紹介した「うるう秒」ですが、今年7月1日に3年ぶりに挿入されます。
午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が挿入されますので、この機会に普段あまり気にすることのない時刻を、感じてみられてはいかがでしょうか。