いわゆる「派遣切り問題」への対応③
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2回に渡って派遣労働問題についての私の考え方を書いてまいりましたが、経済産業行政に携わる立場としては、緊急的には「雇用のミスマッチ解消」、中期的には「新規雇用の創出」という視点に立って、雇用機会確保に尽力中です。
先ず、当面の緊急措置としては、「雇用のミスマッチ解消」です。
消費者心理の急激な冷え込みと輸出減速等から、大企業による派遣労働者の雇い止めや契約中途解除が大きく報道されていますが、一方で、「不況期こそ優良な人材を確保するチャンス」と捉えている中小零細企業も存在します。
また、地域や業種によっては、現在でも、「有効求人倍率」が高い所が存在すると報告を受けています。
例えば、香川県で、金属溶接・溶断が5・7倍、金属加工が3・4倍。新潟県では、警備員・守衛等の保安職が7・4倍、千葉県では、ホーム・ヘルパー等の家庭生活支援サービスが3・8倍の有効求人倍率となっています。
私の地元である奈良県でも、「3交替制で早朝勤務があり、週休1日の職場なので、日本人の若者が来てくれない。中国人研修生を受け入れる方法を知りたいのだが…」、「農商工連携施策を活用して地場農産物を加工した特産品を作りたいが、農作業の人手が不足しているので、量産が困難だ」、「高齢化で間伐の人手が無く、山林が荒れている」といった声を度々伺います。
いずれも一定の技術訓練等が必要だと思いますが、うまく求人情報が行き渡ることによって、早急な雇用確保に結びつく可能性が高いと思います。
今回の国際的経済危機のあおりを受けて職を失われた方々の中でも、「収入が得られるのならば、職種や勤務地にはこだわらない」という方と、「この機会に長期的視野で正規雇用を目指したいので、自らに合った仕事にこだわりたい」という方が居られることでしょう。
経済産業省では、関係機関を総動員して、「雇用情勢が悪化する中でも採用ニーズが有る中小企業」を1000社以上掘り起こし、2月下旬を目途に情報発信しようとしています。
基本的には、十分な社員教育を行って正規雇用をして下さる企業であることを前提にした掘り起こしです。
また、平成16年度から、「ジョブ・カフェ関連事業」により、「若者の就業意識の喚起」と「求人企業の魅力的な情報発信のための支援」を行ってきましたが、今後は100箇所を目指して、「ジョブ・カフェの地方拠点の拡充・強化」を行います。
私からは、1月中の副大臣会議の場で、「全省庁が精力的に所管業界の求人情報を掘り起こし、ハローワーク、ジョブ・カフェ、就農センターなど様々な支援機関の情報を可能な限り一元化し、どの窓口に行っても農林水産業から商工サービス業まで幅広い業種の求人情報が得られるよう、政府一体となって取り組める体制を検討して欲しい」との要望を提出しました。
次に必要なのは、「新規に雇用を生み出せる産業の育成」によって、社会全体の雇用量を増やして失業者を吸収することです。
先週成立した平成20年度第2次補正予算には、地方での雇用創出の為に「4000億円の基金創設」が盛り込まれましたが、今後、平成21年度予算での対応も含めて政府が進めようとしている下記の政策例からも、新規雇用を創出できる可能性は高いと思います。
①家庭、高速道路、学校など、あらゆる場所に「太陽光発電」や「蓄電池」が配備される社会像を目指す。
⇒性能向上の為の研究開発、製造、販売、設置工事、海外への輸出と、幅広く雇用が生まれる。
②電子政府推進のボトルネックである「莫大な紙の行政情報の電子化」を一気に進める。
⇒民間業者委託やテレワークによる処理を検討することで、居住地域や身体的・生活環境上の制約等に関係なく、幅広い層の雇用につながる。障害者、子育て中の女性、退職高齢者他、短時間勤務を希望する方にも仕事を提供できる。
③電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及促進とインフラ整備。
⇒自動車関連産業振興のみならず、家庭の車庫への充電設備や公共スペースへの高速充電器設置による電気工事業の振興にもなる。
④携帯電話などに含まれるレアメタルの回収と再資源化の促進。
⇒回収、運搬、分別、再資源化、販売等、幅広く雇用が生まれる。
⑤レアメタル代替物質の研究開発と普及。
⑥耕作放棄地再生など農地基盤整備と法人経営体の参入促進・農商工連携の推進
⇒農産物の生産・加工・販売(ネット販売含む)・運搬・市場開拓調査員等で雇用創出が可能。
⑦育林(下草刈り・手入れ)分野への雇用支援(給与補助・労災保険料軽減)。
⑧公共施設の耐震化・エコ化の対象拡充と促進加速。
⑨老朽化した道路・橋梁の修繕と局所的集中豪雨対策の推進。
⑩高齢者向け居宅サービスの拡充と介護施設の整備、保育所整備や保育ママなど子育て支援サービスの拡充。
⑪生ゴミや廃油を回収して再生燃料の原料・堆肥にする等、地域環境型ビジネスの促進。
経済産業省での仕事の中で特に関係が深いのは、「太陽光発電」、「蓄電池」、「レアメタル」、「農商工連携」、「次世代型自動車」になりますが、いずれも国内市場で成功を収めた後には大きな海外市場が待っている分野ですので、打てる限りの推進策を打っていきたいと思います。
先ず、当面の緊急措置としては、「雇用のミスマッチ解消」です。
消費者心理の急激な冷え込みと輸出減速等から、大企業による派遣労働者の雇い止めや契約中途解除が大きく報道されていますが、一方で、「不況期こそ優良な人材を確保するチャンス」と捉えている中小零細企業も存在します。
また、地域や業種によっては、現在でも、「有効求人倍率」が高い所が存在すると報告を受けています。
例えば、香川県で、金属溶接・溶断が5・7倍、金属加工が3・4倍。新潟県では、警備員・守衛等の保安職が7・4倍、千葉県では、ホーム・ヘルパー等の家庭生活支援サービスが3・8倍の有効求人倍率となっています。
私の地元である奈良県でも、「3交替制で早朝勤務があり、週休1日の職場なので、日本人の若者が来てくれない。中国人研修生を受け入れる方法を知りたいのだが…」、「農商工連携施策を活用して地場農産物を加工した特産品を作りたいが、農作業の人手が不足しているので、量産が困難だ」、「高齢化で間伐の人手が無く、山林が荒れている」といった声を度々伺います。
いずれも一定の技術訓練等が必要だと思いますが、うまく求人情報が行き渡ることによって、早急な雇用確保に結びつく可能性が高いと思います。
今回の国際的経済危機のあおりを受けて職を失われた方々の中でも、「収入が得られるのならば、職種や勤務地にはこだわらない」という方と、「この機会に長期的視野で正規雇用を目指したいので、自らに合った仕事にこだわりたい」という方が居られることでしょう。
経済産業省では、関係機関を総動員して、「雇用情勢が悪化する中でも採用ニーズが有る中小企業」を1000社以上掘り起こし、2月下旬を目途に情報発信しようとしています。
基本的には、十分な社員教育を行って正規雇用をして下さる企業であることを前提にした掘り起こしです。
また、平成16年度から、「ジョブ・カフェ関連事業」により、「若者の就業意識の喚起」と「求人企業の魅力的な情報発信のための支援」を行ってきましたが、今後は100箇所を目指して、「ジョブ・カフェの地方拠点の拡充・強化」を行います。
私からは、1月中の副大臣会議の場で、「全省庁が精力的に所管業界の求人情報を掘り起こし、ハローワーク、ジョブ・カフェ、就農センターなど様々な支援機関の情報を可能な限り一元化し、どの窓口に行っても農林水産業から商工サービス業まで幅広い業種の求人情報が得られるよう、政府一体となって取り組める体制を検討して欲しい」との要望を提出しました。
次に必要なのは、「新規に雇用を生み出せる産業の育成」によって、社会全体の雇用量を増やして失業者を吸収することです。
先週成立した平成20年度第2次補正予算には、地方での雇用創出の為に「4000億円の基金創設」が盛り込まれましたが、今後、平成21年度予算での対応も含めて政府が進めようとしている下記の政策例からも、新規雇用を創出できる可能性は高いと思います。
①家庭、高速道路、学校など、あらゆる場所に「太陽光発電」や「蓄電池」が配備される社会像を目指す。
⇒性能向上の為の研究開発、製造、販売、設置工事、海外への輸出と、幅広く雇用が生まれる。
②電子政府推進のボトルネックである「莫大な紙の行政情報の電子化」を一気に進める。
⇒民間業者委託やテレワークによる処理を検討することで、居住地域や身体的・生活環境上の制約等に関係なく、幅広い層の雇用につながる。障害者、子育て中の女性、退職高齢者他、短時間勤務を希望する方にも仕事を提供できる。
③電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及促進とインフラ整備。
⇒自動車関連産業振興のみならず、家庭の車庫への充電設備や公共スペースへの高速充電器設置による電気工事業の振興にもなる。
④携帯電話などに含まれるレアメタルの回収と再資源化の促進。
⇒回収、運搬、分別、再資源化、販売等、幅広く雇用が生まれる。
⑤レアメタル代替物質の研究開発と普及。
⑥耕作放棄地再生など農地基盤整備と法人経営体の参入促進・農商工連携の推進
⇒農産物の生産・加工・販売(ネット販売含む)・運搬・市場開拓調査員等で雇用創出が可能。
⑦育林(下草刈り・手入れ)分野への雇用支援(給与補助・労災保険料軽減)。
⑧公共施設の耐震化・エコ化の対象拡充と促進加速。
⑨老朽化した道路・橋梁の修繕と局所的集中豪雨対策の推進。
⑩高齢者向け居宅サービスの拡充と介護施設の整備、保育所整備や保育ママなど子育て支援サービスの拡充。
⑪生ゴミや廃油を回収して再生燃料の原料・堆肥にする等、地域環境型ビジネスの促進。
経済産業省での仕事の中で特に関係が深いのは、「太陽光発電」、「蓄電池」、「レアメタル」、「農商工連携」、「次世代型自動車」になりますが、いずれも国内市場で成功を収めた後には大きな海外市場が待っている分野ですので、打てる限りの推進策を打っていきたいと思います。