海外情報発信力の強化を
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1月13日、米議会調査局から、日米関係に関する報告書が発表されました。
報告書では、日米関係の重要性が強調され、安倍内閣の経済政策が評価されているものの、後段では、安倍首相を「歴史修正主義者」や「国粋主義者」等と批判する内容となっています。
この報告書をまとめられた米議会調査局の調査員の方々は、日本に関する入手可能な情報をもとに調査をして、まとめられたものだとは思いますが、これは非常に残念な状況です。
同じ時期になりますが、1月15日、NHKから、来年度予算と3カ年経営計画の提出がありました。
NHKは、ご存知の通り、国内の公共放送を担う重要なメディアです。国内向けのテレビ・ラジオの放送の他に、国際放送も行っています。
来年度、NHKは、「北米・アジアを国際放送の重点地域として位置づけ、強化する」との方針を打ち出しています。
取材制作体制の強化とともに、地域の視聴傾向に合わせ、ターゲットを明確にした番組編成を目指すこととされており、是非とも進めてもらいたいですね。
海外情報発信は、「地方創生」においても重要性が高まっています。
訪日外国人観光客による消費額は2014年速報で2兆円を超えるなど、観光ビジネスは大きな市場となっています。
この市場を更に広域化し、地方の産業と結びつける為に、日本の歴史、文化、風土、ライフスタイルを海外へさらに発信していくことが必要だと思います。
日本には、私たちが気付いていないだけで、魅力的なコンテンツがあちらこちらにあります。
現在、日本の海外情報発信を担っているのはNHKの国際放送である「NHKワールド」です。
この「NHKワールド」の海外での認知度は、欧米では10%以下と低く、アジアにおいても英国のBBCや米国のCNNに大きく水をあけられています。
少なくともアジアにおいて、国際放送と言えば「NHKワールド」というくらいの存在感になってもらいたいものです。
国際放送の強化には、抜本的な取組みが必要です。
今は、時間やノウハウを買うこともできる時代です。国際経験豊富なシニア世代を外部から登用するという方法もあるかと思います。
外国で求められる放送というのは、その地域の放送局が一番よく知っているはずで、それなら、そのノウハウごと買ってしまうという手法もあるでしょう。
日本の海外情報発信力が問われています。
その強化の為に、思い切ったことをしていかなければならない時期にきています。総務大臣として、強い問題意識をもって取り組んでまいります。