地球深部探査船「ちきゅう」の更なる成果に期待
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昨日は、着岸中の地球深部探査船「ちきゅう」の船内を視察してきました。
「ちきゅう」は、来週(9月13日)には、紀伊半島沖熊野灘に向けて出港し、乗員の方々は、来年1月までの長期に渡って「南海トラフ地震発生帯の掘削計画」に携わって下さる予定です(昨秋にも同海域で作業)。
今後30年以内に東南海・南海で巨大地震が発生する確率は60~70%と予測されており、特に太平洋側の各自治体では、防潮堤の整備、老朽インフラの改修・耐震化、避難路の整備など、被害最小化に向けた対策を急いでおられます。
「ちきゅう」は、紀伊半島沖の洋上から海底大深度の掘削を行い、地震発生帯や津波を発生させる断層帯から岩石サンプルを採取します。
摩擦係数の測定や計測センサーの設置等によって得られる知見は、被害規模予測とともに今後の防災対策を効果的なものにする為にも役立つことでしょう。
大津波を引き起こした東日本大震災の発生後、昨夏までに実施された宮城県沖での掘削では、水深6889.5m、海底下856.5mに到達する世界記録となる作業によって、採取したサンプルから非常に滑りやすい地質を見つけるなど、日本海溝プレート境界における地震発生メカニズムの解明に大きな成果をあげてくれました。
この他にも、「ちきゅう」は、今年1月から3月までは、メタンハイドレート海洋産出試験でも活躍。
世界で初めて、海底からのメタンガス採取に成功しています。
多くのパイプを繋ぎ合わせながら深海へとドリルパイプを下していく巨大な設備と優秀なオペレーター、風や波に流されずに船位を保持するシステム、採取した試料を分析する研究施設など、実に見事な船でした。
部品は外国製のものも多いそうですが、それらを統合して人類史上初の可能性を拓く性能を創り上げた日本人は凄い!
残念ながら「ちきゅう」は1隻しかありませんから、数ヶ月単位で様々なミッションをこなさなければなりません(仮に「ちきゅう」と同じものを建造するとしたら、600億円もの建造費がかかるそうです)。
第2次安倍内閣では、210億円で建造できる「海底広域研究船」の建造が進められています(平成27年度完成予定)。この船も、海洋資源の分布調査などに活躍してくれるでしょう。
日本の排他的経済水域内からの資源産出が進めば、資源・エネルギー安全保障の強化と経済成長に繋がります。
また、地震発生メカニズムの一層の解明も、多くの方々の生命を守る為の対策に寄与します。
自民党政調会には、「宇宙・海洋開発特別委員会」(河村建夫委員長)も設置しており、この度、その下に海洋政策に特化した小委員会も置くことになりました。
「海洋国家・日本」ならではの様々な課題と可能性を、幅広く政策に反映させてまいります。
「ちきゅう」は、来週(9月13日)には、紀伊半島沖熊野灘に向けて出港し、乗員の方々は、来年1月までの長期に渡って「南海トラフ地震発生帯の掘削計画」に携わって下さる予定です(昨秋にも同海域で作業)。
今後30年以内に東南海・南海で巨大地震が発生する確率は60~70%と予測されており、特に太平洋側の各自治体では、防潮堤の整備、老朽インフラの改修・耐震化、避難路の整備など、被害最小化に向けた対策を急いでおられます。
「ちきゅう」は、紀伊半島沖の洋上から海底大深度の掘削を行い、地震発生帯や津波を発生させる断層帯から岩石サンプルを採取します。
摩擦係数の測定や計測センサーの設置等によって得られる知見は、被害規模予測とともに今後の防災対策を効果的なものにする為にも役立つことでしょう。
大津波を引き起こした東日本大震災の発生後、昨夏までに実施された宮城県沖での掘削では、水深6889.5m、海底下856.5mに到達する世界記録となる作業によって、採取したサンプルから非常に滑りやすい地質を見つけるなど、日本海溝プレート境界における地震発生メカニズムの解明に大きな成果をあげてくれました。
この他にも、「ちきゅう」は、今年1月から3月までは、メタンハイドレート海洋産出試験でも活躍。
世界で初めて、海底からのメタンガス採取に成功しています。
多くのパイプを繋ぎ合わせながら深海へとドリルパイプを下していく巨大な設備と優秀なオペレーター、風や波に流されずに船位を保持するシステム、採取した試料を分析する研究施設など、実に見事な船でした。
部品は外国製のものも多いそうですが、それらを統合して人類史上初の可能性を拓く性能を創り上げた日本人は凄い!
残念ながら「ちきゅう」は1隻しかありませんから、数ヶ月単位で様々なミッションをこなさなければなりません(仮に「ちきゅう」と同じものを建造するとしたら、600億円もの建造費がかかるそうです)。
第2次安倍内閣では、210億円で建造できる「海底広域研究船」の建造が進められています(平成27年度完成予定)。この船も、海洋資源の分布調査などに活躍してくれるでしょう。
日本の排他的経済水域内からの資源産出が進めば、資源・エネルギー安全保障の強化と経済成長に繋がります。
また、地震発生メカニズムの一層の解明も、多くの方々の生命を守る為の対策に寄与します。
自民党政調会には、「宇宙・海洋開発特別委員会」(河村建夫委員長)も設置しており、この度、その下に海洋政策に特化した小委員会も置くことになりました。
「海洋国家・日本」ならではの様々な課題と可能性を、幅広く政策に反映させてまいります。