婚外子の相続分に関する民法規定に違憲判決
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本日午後、最高裁判所大法廷に於いて、婚外子の遺産相続分を嫡出子の2分の1と定めた民法900条4号ただし書きの規定を違憲とする判断が示されました。
近年では、民主党政権時の平成22年に「子供の権利は平等であるべき」との声が上がり、法務省が非嫡出子と嫡出子の相続分を同等にする内容の民法改正案を準備していましたが(平成8年にも同様の動きあり)、家族の在り方に関わる問題でもあり、国民世論も賛否両論であったことから、結局、法案は国会に提出されませんでした。
過去の自民党政調会に於ける議論では、婚外子の相続分を嫡出子と同等のものとすることにつき、懸念の声も多くありました。
「民法が担保している『一夫一婦制』や『法律婚主義』を危うくしかねない」
「法務省が提出した法改正の必要性を説明する資料では、婚外子の相続分に差異を設けていたフランスとドイツが法改正によって差異を解消したことを強調しているが、そもそも婚外子の割合は、日本が2.11%、フランスが52.56%、ドイツが32.07%だ(平成20年の国会図書館資料)。婚外子が圧倒的に多い国を理想として同様の法改正を目指す着想自体が、理解できない」
「例えば個人事業主の死去に伴い、一家の主たる財産の形成に全く寄与していない者が同等の相続権を持った場合、生業の継続が困難になるのではないか」
そんなわけで、自民党では慎重な検討が行われてきたところですが、立法府の構成員としては、「違憲立法審査権」を有する最高裁判所の判断を厳粛に受け止めざるを得ません。
今後、内閣では、違憲状態を解消する為に必要な立法措置(閣法)の検討が開始されることでしょう。
既に、菅官房長官が記者会見で早急な対応を表明されています。
自民党政調会も、政府と緊密に連携しながら、十分な法案審査等を通じて真摯に対応してまいりたいと思います。