「中川官房長官問題」
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11月10日頃から補正予算案の審議に入る為には、それまでに20本以上の法律案審議を進めておかなければならなかったのに、野党は拒否。空転が続く国会に政府与党はヤキモキの毎日でした。
それがここに来て、野党内から「早急に審議の場が必要」との声が聞こえ国会は動き始めました。
ところが、森総理も与党の面々も「ラッキー!」とは喜べない事情なのです。野党が審議したがっているのは「中川官房長官のスキャンダル」だからです。
ある席上、男性議員が額を寄せ合ってたので、私も首を突っ込みました。
「後援会の人がセットしてくれた宴席に呼ばれて行って、初めて同席した人が右翼だったってな場合もあり得るよなあ。そこまでチェックできないもん」
「これから宴会やパーティーでは、記念写真を頼まれても断ることだな」
私自身も、講演先や招かれた宴席で初対面の方から「記念写真一緒に撮って下さい」「代議士の名刺いただけますか」って声をかけていただくことが多いのですが、その場の雰囲気を白けさせてまで断ることなんか出来ませんもの。難し いもんだなあ、と思いながら耳を傾けておりました。
次におじさん議員達の話題は女性問題に・・。
「俺だってファンの女の子に抱きつかれて撮られちゃった写真は沢山あるぜ」と小泉純一郎代議士。(皆が一様に羨ましそうな顔をしたのが笑えた)「バーで女の子にチューされてる写真はまずいな」
「そういう店内での写真撮影は断固断るべきだ」
結局、おじ達の話は「政治活動における写真撮影の厳禁」という申し合わせに落ち着き、「アホくさ」と席を後にした私は森政権応援団としては笑い事ではありません。
日本では(官邸記者クラブの慣習の為と聞いていますが)、総理が直接国民に語りかける記者会見の機会は殆どありません。マスコミを通して総理の思いや政権の方針を伝えることの出来る場は、なんといっても毎日の官房長官記者会見なのです。
官房長官が国民やマスコミの信頼を失ってしまっては、森政権の目指す方向も正しく伝わらず、国民の理解や協力も得られません。
写真週刊誌に掲載された記事の内容には、道義的な問題(不倫・虚偽の国会答弁)と法的な問題(有印私文書偽造・薬物使用)が含まれていました。
虚偽の国会答弁とされた問題は、政治家が多くの有権者と接触する中での事象として説明をし、国会答弁を修正することも可能ですが、後者の法的問題は代議士の資格に関わることですから放置は出来ません。
中川官房長官は、私にとっては信頼し尊敬申し上げてきた先輩です。「十分に記憶にない」といった表現は贔屓目に見ても疑惑を晴らすに足りません。森政権の信頼を担う官房長官には、一刻も早く堂々と明快な事実説明をしていただきたいと切望します。