責任能力が無い相手との「与野党密室協議」には応じられない
更新日:
昨日と一昨日は、「国民年金保険料の大幅引き上げ」や「子ども手当による手取り額の減額」という民主党の変質を知って怒っておられる方々のお声を伺った上で拙稿を書きました。
つくづく国会審議は重要だと感じます。
昨年末にも、臨時国会の予算委員会で明らかになったことがありました。
小宮山洋子厚生労働大臣が、平成24年から「後期高齢者医療保険の保険料」を引き上げる可能性を示唆する答弁をされたものですから、私は耳を疑いました。
この件でも、平成21年衆議院選挙の民主党マニフェストには、「後期高齢者医療制度は廃止し、国民皆保険を守ります」と書いてありました。
「廃止どころか、保険料が上がるの?」と驚かれた方も多かったと思います。
税と社会保障の一体改革について、野田内閣も民主党も「与野党の代表者による事前協議」を主張し、「協議に応じない自民党は怪しからん」という世論を煽っていますが、数名の議員しか参加できない「密室協議」に応じていたならば、国民の皆様には様々な驚くべき事実を知っていただくチャンスも無かったと思います。
国会の委員会や本会議で議論をするからこそ、テレビやインターネットで観ていただくことができ、議事録も残るのです。
ちなみに、私自身は数多くの議員立法を手掛けていますが、「与野党協議」なるものには懲りています。
野党である自民党から先に国会に法律案を提出した場合、民主党から与野党協議の申し入れがなされるケースがあります。
民主党側も「自民党が提案した法整備は、世の中の為に必要なものだ」「国民世論も賛同しており、対応が急がれる」と判断するような内容の法案であれば、自民党の手柄にするよりは、与野党協議をして「与野党共同提出法案」の形に変えたいのでしょう。
私が経験した与野党協議では、民主党側の交渉者が度々替わる上(内閣改造が多くて、先方の党内人事も度々変わる為)、「私は、党から一任を受けていませんので、この場では具体的な修正内容までは決められません」「急にこの立場になったもので、詳しい内容の勉強をしていません」と言い出すような当事者能力・責任能力の無い方が出てきました。
このような状態で密室合意をしたところで、後になって「民主党内で賛同が得られませんでした」と引っ繰り返されるのがオチでしょう。
やはり、税制(消費税等)にしても、年金制度や医療保険制度にしても、与野党がそれぞれ国会に法律案を提出し、開かれた委員会の場で両案の審議を行い、最後に与野党の委員会理事により修正をし、修正案を採決するという公明正大な手順を踏むべきだと思います。