野田内閣への疑問⑤:シルバー人材センターに関する考え方
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野田佳彦総理は、ご就任直後の9月13日の所信表明演説では、「若者、女性、高齢者、障害者の就業率の向上を図り、意欲ある全ての人が働くことができる『全員参加型社会』の実現を進める」必要性をアピールされました。
安倍内閣時代にも、総理の「福祉から就労へ」という方針の下、可能な限り生活保護受給者を減らすべく雇用創出に力を入れていましたので、野田総理がおっしゃった方向性は賛同できるものでした。
野田総理が言われる「意欲ある全ての人が働くことができる社会」を目指す上で有意義な取組みとして、「シルバー人材センター事業」があります。
シルバー人材センターの会員は「60歳以上の健康で就業意欲のある方々」で、家庭や事業所や官公庁から、地域社会に密着した臨時的・短期的な仕事を、有償で請負っておられます。
事業の意義としては、次のような点が挙げられています。
①年金だけで生計を維持することが困難な高齢者世帯の生計を補完し、「長寿社
会における自立した生活」を目指すこと
②地域社会の一員として「生き甲斐」を実現すること
③働くことを通じて健康を維持増進し、「医療・介護の財政負担軽減」に貢献す
ること
東日本大震災に際しても、各地で会員の方々が支援物資の仕分け作業や被災住宅の後片付けなどの現場で活躍して下さいました。
ところが、この「シルバー人材センター援助事業予算」は、民主党政権による平成21年11月13日の事業仕分けで「予算要求の3分の1程度縮減」とされました。
自民党政権が編成した平成21年度予算と比較すると、平成23年度予算は32・8%減でした。
シルバー人材センターでは、現在は職員の削減などで対応しているとのことですが、職員は内部事務だけをやっておられるわけではなく、「仕事の掘り起こしと受注」「会員への提供」「現場確認」「契約」「受注代金回収」など多大な業務をこなしているそうです。
過去の事業仕分けの結果による現状は、野田総理の理念と逆行しているのではないかと感じます。
地域で働ける場所を増やす施策、マッチングを促進する施策に舵を切っていただきたいと願います。