野田内閣への疑問④:八ツ場ダム建設に関する考え方
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野田内閣に於いて、国家公務員宿舎の取扱いに関する方針が、ようやく固まった様です。
野田総理大臣自らが財務大臣時代に建設を決めた公務員宿舎についても、「何故、建設が必要なのか」という説明を怠ったまま、世論の動向に振り回されて方針を撤回。
その後も「5年間凍結」などと言ってなかなか結論を出さなかったことこそが、最悪の無駄遣いでした。
来年度予算の閣議決定がなされる今月中には、「八ツ場ダム建設の是非」についても決断をしていただかなければなりません。
民主党政権が実施しているバラマキ政策の財源捻出根拠の1つが「八ツ場ダム中止」だったからです。
平成21年衆院選の民主党マニフェストでは、バラマキ政策の財源は「増税」などしなくても確保できるはずでした。
「八ツ場ダム中止を含めた公共事業見直しで1・3兆円の節約」と記載されていましたので、仮に中止しない場合には、民主党の財源捻出額積み上げの前提が崩れてしまう可能性があります。
平野達男復興担当大臣は、政権交代後の平成21年11月9日の参議院予算委員会で、八ツ場ダムについて、「中止を前提とした見直しをするということは賛成です」と発言しておられます。
蓮舫行政刷新担当大臣も、平成22年参院選の折に、朝日新聞の候補者アンケートで、八ツ場ダムについて、「建設すべきではない」と回答しておられます。
閣僚たちの考え方に今も変わりがないのかどうかについては、不明です。
仮に前田武志国土交通大臣の英断により「災害対策の必要性」を理由に建設を続行するとすれば、民主党は平成21年衆院選の際には国民の安全を軽視していたことになり、新たな不安が生じます。
建設続行の結論を出すにしても、「ダムに期待する機能」や「判断が変化した理由」については、納税者に対して明確に説明し、今後の協力を要請されるべきでしょう。
度々の方針変更や結論先送りは、地元住民など関係者の「経済的被害」と「将来への不安」を拡大するだけです。