野田内閣への疑問①:チベット問題に関する考え方
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野田佳彦総理大臣は、平成20年4月23日の衆議院外務委員会で、当時は野党議員としてですが、高村正彦外務大臣(当時)に質問をされました。
同年の日中外相会談の席で、中国の楊外交部長が「チベット問題は中国の内政問題だ」と主張したことについて、野田総理は次のように指摘しておられました。
「私は、少なくともそうではない、国民感情はそうではないと思うんですが、いかがでしょうか」
「人権という観点からすると、大臣おっしゃったとおり、これはもう間違いなく国際的な問題で、国際社会が注視しているということを、これは何度も何度もお伝えをしなければいけないのではないか」
私は、当時の野田総理の考え方には共感しており、高村外務大臣も同様だったことが議事録から分かります。
今月10日の予算委員会の席上、野田総理に、次の点を伺ってみました。
①「チベット問題は、中国の内政問題ではなく、国際的問題であり、人権問題だ」という考えに変わりがないかどうか。
②「中国側に何度も何度もお伝えをしなければいけないのではないか」と主張しておられたが、G20は野党時代からの御自身の問題意識を伝えるよい機会だったと思うが、お伝えになったのかどうか。
もしもそのチャンスがなかったとしたら、これからお伝えになる予定があるのかどうか。
野田総理の答弁は、簡単なものでした。
「当時の高村外務大臣に私がそういう質問をしたという記憶はあります。その上ででありますが、政府の立場としては、チベットの地位の問題は、我が国は従来から、中国の内政問題であるとの立場であるということでございます」
この日に私がいただいた質疑時間は25分間と短かった上、自民党の理事からは別の質疑内容で時間を使うようにとの指示もありましたので、チベット問題に関して更に詰める時間が無かったことは残念でした。
野田総理が野党議員時代や民主党代表選挙前後に発言しておられた様々な事柄については、共感できることも多く期待をしていただけに、その変節ぶりにがっかりした答弁でした。
安倍晋三元総理が在任中にして下さったように、中国首脳との会見の機会にはチベット問題を取り上げ、改善を求め続ける努力が必要だと思います。