がれきの中で本当にあったこと
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週末に選挙区まで戻る電車の中で、『がれきの中で本当にあったこと』(産経新聞出版)という本を読みました。
東日本大震災の発生以降、産経新聞の記者達が被災地を駆けずり回って取材された事実の中から、人間の生き様や死に様に関する48のお話を読みやすくまとめた本でした。
読みながら涙が溢れ、周囲の乗客に悟られないようにするには苦労しましたが、学校教育の現場で子供たちにも読ませて欲しいと感じた本でした。
発行されてから2ヶ月余りしか経っていない本ですので、ここに詳細を記すことは避けますが、津波で御両親を失くされた方の言葉を1つだけ紹介します。
御両親と離れて住んでおられた女性が、実家を訪れた折にご両親と短い会話を交されたのですが、10日後に大震災が発生、それが最後の会話となってしまったのです。
「父が何を言ったのか覚えていない。母の言葉もひと言だけ。あまりにもふだんの会話だったから。きちんと覚えておけばよかった。もっと会って話をすればよかった」
「当たり前に思っていたことが、身近すぎることが、幸せなことだった」
奈良県に住む両親の顔が目に浮かびました。
両親には迷惑ばかりかけてきたのに、未だに何の親孝行もできていません。既に高齢で、ここ数年は2人とも入退院を繰り返すようになりました。
これまでにも、「国会休会期間中に、たとえ1泊でも温泉旅行に連れて行ってあげたいな」などと考えて旅の予約をしたことが何度かあったのですが、後援会員の方のお宅でご葬儀があったり、急に公的行事が入ったりで、結局はキャンセルをしてばかりでした。
仕事柄、私的な旅行はなかなか困難ですが、選挙区に戻る週末には少し時間を作って、両親との会話を大切にしたいな…と思いました。