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日銀法と国会同意人事

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 昨夏の参院選で与党が大敗してから、内閣にとって最も大変なのは「国会同意人事」だろうと思います。
 先般の日銀政策審議委員(候補者;池尾和人氏)の人事では、ひどいことが起こりました。

 民主党は、1度は池尾氏の任命に賛意を表明しておられました。
 その後、政策審議委員人事では異例の意見聴取まで行ったのですが、結局、国民新党が同意できないとしたため、民主党は国民新党との統一会派維持のために反対に転じました。
 そのため、内閣は、池尾氏の起用を断念することとなったのです。

 「日銀法」の第23条では、審議委員は「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者」のうちから、「両議院の同意」を得て、「内閣が任命」することとなっています。

 国会議員が判断すべきは、「経済又は金融に関して高い識見を有する者かどうか」ということでしょう。
 民主党のように「統一会派が解消されるかどうか」で賛否を決めるのならば、候補者となる人物の「識見や人柄」よりも「党利党略」を優先したと言われても仕方がないと思います。

 これまでも民主党は、中立性が求められる中央銀行幹部人事で、政治的思惑から反対してこられました。日銀の総裁候補2名、副総裁候補2名にも同意せず、副総裁1名は現在も空席のままです。
 以前にも書きましたが、特に総裁人事では財務省出身だというだけで外部の人の執行部入りが見送られ、日銀プロパーの方が総裁になってしまいました。日銀には、外部の空気をどんどん入れるべきだというご意見が多いと思います。

 原油価格や穀物価格の高騰で、日本の所得が海外に移転している昨今、日本の中央銀行が果たすべき役割は非常に大きなものがあります。
 国会同意人事の不調は、国益を損なうものとなっています。

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