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ようやく策定された「夏期の電力需給対策」

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 4月29日の本欄に書きましたが、菅内閣が「4月末目途で、取りまとめる」と表明していた『夏期の電力需給対策』の政策パッケージの策定は、異常に遅れていました。


 ゴールデンウィークに入る前日の4月28日木曜日の16時頃、私の政策秘書が、政府の国会連絡室に何度も問い合わせをしていました。
「政府の電力需給緊急対策本部が『夏期の電力需給対策』の策定を終えたはずだと思うのですが、代議士が大至急、拝読したいと申しております」
 

 この日、菅内閣は東日本大震災対策や電力需給対策を盛り込んだ平成23年度第一次補正予算案を閣議決定し、国会に提出。夕刻からの衆議院本会議で審議入りすることになっていました。
 ゴールデンウィーク中に衆参両院で審議を行い成立させることで与野党が合意していたからです。


 私は、この日の閣議で、補正予算案とともに「夏期の電力需給対策」も決定されているはずだと考えていました。
 閣議の定例日は火曜日と金曜日ですが、翌29日の金曜日は「昭和の日」で、天皇陛下のご公務を増やさないためにも閣議は行わないでしょうから、4月末に取りまとめると発表した政策パッケージならば、28日の閣議で決定されるはずだと思ったのです。


 ところが、政府連絡室から返ってきた回答は、「作業が遅れていまして、『夏期の電力需給対策』が出来上がるのは、ゴールデンウィーク明けになると思いますよ」というものでした。


 私は、「4月末でも遅過ぎるのに、ゴールデンウィーク明けですって?」と思わず大声を上げてしまいました。


 29日にも書きましたが、社会全体に影響を及ぼす電力需要削減策については、電力需要量が比較的安定している5月~6月の間に試験的運用を行っておく必要性があります。

 例えば、今夏に、工場が輪番操業や操業時間変更などをすることによって電力需要のピークカットを目指すとしたら、5月中にも試験的な実施をしてみて、本当に政府が考える電力使用量の削減目標が達成できるのか慎重に確認しておかなければなりません。
 万が一にも見込み違いによる大停電は許されないのですから。


 また、輪番操業で発生する在庫用倉庫の必要性や、操業時間変更による夜間の公共交通機関運航の必要性など、様々なチェックをしておくべきです。


 更には、既に自民党から菅内閣に申し入れた通り、電力需給対策の実効性を確保する為には多くの法律の改正や運用改善が必要です。


 日に日に蒸し暑くなってきており、電力需要削減策の試験的運用にしても、法律の見直し作業にしても、時間との闘いです。
 菅内閣のあまりの悠長さに、怒りが込み上げていたのです。


 時を置かずして、菅内閣が4月末に『夏期の電力需給対策』を発表できなかった理由が読める出来事が起こりました。


 5月6日夜、菅直人総理大臣は、中部電力に対して「浜岡原子力発電所の全ての原子炉の運転停止」を要請したことを記者会見で発表しました。
 これで、完成目前だったであろう『夏期の電力需給対策』も、需給ギャップの計算が合わなくなってしまったのでしょう。


 ゴールデンウィーク明けを待ちかねて、5月6日(金)と9日(月)にも国会連絡室に問い合わせをしましたが、「未だです。現段階では、完成の時期も申し上げられません」との回答でした。


 今朝の経済産業委員会で質疑を行い、この件について質しましたところ、ようやく今朝、『夏期の電力需給対策』が閣議決定されたという答弁でした。


 5月9日付の政府資料によると、「電力需給緊急対策本部」が、「電力需給に関する検討会合」という名称に変更されるそうです。
 会議の名称などを変更するよりも、スピード感を重視して、仕事に取り組んでいただきたいものです。
 

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