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予算委員会報告③:外国人参政権

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 今日は、去る11月9日の予算委員会に於いて、「外国人参政権」に関して私が行った質疑と内閣の答弁について、その概略を紹介し、最後に私の感想を書かせていただきます。
 

 この短い質疑は、尖閣諸島海域で発生した中国漁船への菅内閣の対応について議論をした後、私の質疑時間が終了する直前に行いました。


【高市早苗】
 

○最後に伺う。文部科学大臣、外務大臣、防衛大臣、お一言ずつで結構だ。
 私は、この期に及んで、外国人参政権などというものには絶対反対だと考えているが、お3方はそれぞれ、賛成か反対か、伺う。


【髙木文部科学大臣】
 

○私は賛成だ。


【前原外務大臣】
 

○慎重に検討すべきだと思う。


【北澤防衛大臣】
 

○前回もお答えしたが、立場上、コメントは差し控えさせていただく。


【高市早苗】
 

○前回の予算委員会では、防衛大臣は「賛成だ」と答弁された。そしてまた、「安全保障上の懸念はない」ということも答弁された。
 議事録をもう一度読んでいただきたい。
 

○今回のこの尖閣問題を受けても、文部科学大臣は賛成だとおっしゃる。
 民主党がこれまでに提出した「永住外国人地方参政権付与法案」を読むと、「教育委員の解職請求権」も入っている。
 そうすると、教科書の記述内容、学校現場での教え方を理由にして、中国人や韓国人が解職請求を発動することもあり得る。
 

○それから、安全保障にも大きな影響がある。
 地方選挙でも、名護の市長選挙で何が起きたか、名護の市議会議員選挙で何が起きたか。そして、今月は沖縄県の知事選挙だ。
 全部反対派が勝ったら、普天間の移設なんてできない。
 

○防衛大臣、答弁を変えるというのはおかしい。前回は、安全保障上の問題、懸念もないとお答えになった。
 もしも反論があれば、おっしゃっていただいた後、2月9日の予算委員会の議事録と照らし合わせていただきたい。


【北澤防衛大臣】
 

○前回の答弁を、議事録を読んでいただきたい。


【高市早苗】
 

○同じことをおっしゃっている。では、委員の皆さん、全員、読んでいただきたい。

 

【本件の質疑応答について:高市早苗の感想】
 

 私の質疑時間は午前9時台でしたが、結局この日、午後からの予算委員会の席上、北澤防衛大臣は、自らの勘違いを認め、謝罪と訂正の発言をされました。
 

 私は、2月9日の予算委員会で、北澤防衛大臣に対して「外国人参政権への賛否」について質問をしました。
 北澤防衛大臣は、「被選挙権を除いて選挙権だけということであれば、賛成をいたしたいと思います」と答弁されました。
 

 2月9日には、「地方参政権ならば、日本の安全保障に影響が出るようなことは皆無だとお考えなのか」という質問もしましたが、北澤防衛大臣は、「私はそういう意味での危険性はないというふうに思っております」と答弁されました。
 

 その理由として述べられたのは、「私は今回の衆議院選挙で民団(在日本大韓民国民団)の皆さん方とも随分と接触を、県連の会長という立場でいたしておりまして…」という、「大臣ご自身が民団の方々から受けた印象」だけでした。
 

 今回の尖閣諸島海域中国漁船事件を受けて、私は、中国が東シナ海における海上覇権戦略を本格化させたことを懸念しています。
 2月1日に米国防省が発表したQDRを見ても、「中国の脅威」が明記されており、「沖縄周辺地域の地政学的重要性」は明らかです。
 反対に、中国にとっては、「沖縄周辺の米軍基地」は目障りであるはずです。
 

 質疑でも触れましたが、「地方選挙の結果が、米軍再編問題にも大きな影響を及ぼすこと」は、明白になっています。
 

 今年1月の名護市長選挙では、鳩山前内閣が普天間基地の「県外移転」や「国外移転」に言及して沖縄県民の期待を煽ったばっかりに、「普天間基地移設の是非」が最大の争点となりました。
 普天間基地代替施設の名護市辺野古への受け入れに合意して下さっていた島袋前市長が落選し、基地受け入れ反対派の市長が誕生しました。
 

 9月12日投開票だった名護市議会議員選挙でも、「基地受け入れ反対派」議員が過半数を占めました。
 

 これで、現実問題として、名護市への米軍基地建設は、困難な状況になりました。
 

 今後、基地を建設するためには、知事による「公有水面埋立許可」も必要です。
 11月28日には、沖縄県知事選挙も投開票を迎えます。前回(平成18年)の沖縄県知事選挙では、当選者と次点の方の票差は、3万7318票でした。
 

 現在、日本国内の「永住中国人数」は、14万5000人を超えています。
 仮に現在、外国人への地方参政権付与が実現していたとすれば、中国政府の意向を受けた組織的な在日中国人の住民票移動によって、知事を落選させることも可能です。
 

 また、「外国人登録者数」で見ると、日本国内における中国人の増加は急激で、平成10年に27万2230人だった中国人が、平成20年には65万5377人となっています。
 まだまだ永住権を取得する中国人数は増え、民主党が考える「参政権付与の対象者数」も増えると思います。
 

 これまでも、米軍施設建設や米軍空母の配備など国防に係る課題が、地方自治体での「住民投票」や「市町村長リコール」の争点となってきました。
 

 また、今回の尖閣諸島沖での事件を受け、多くの国民が、「尖閣諸島や与那国への自衛隊配備」や「尖閣諸島への日本の構造物の建設」を急がなければならないと考えておられることと思います。

 しかし、地元石垣市や与那国町に於ける地方選挙の結果によっては、それも不可能になるわけです。
 

 中国憲法第55条が、中国国民に「国防と徴兵の義務」を課していることも考えますと、防衛大臣には、外国人参政権と安全保障の関係について、もう1度、しっかりと考えていただきたいのです。
 

 過去に民主党が国会に提出した「永住外国人地方参政権付与法案」を読みますと、「外国人に付与する地方参政権」には、「地方選挙において1票を投ずる権利」だけではなく、「直接請求に関する地方自治法等の特例」が含まれています。
 

 これは、「条例の制定又は改廃を請求する権利」、「選挙管理委員や公安委員の解職を請求する権利」、「教育委員会委員の解職を請求する権利」などです。
 

 仮に外国人参政権が実現しますと、在日韓国人は、島根県の「竹島の日を定める条例」を廃止する請求もできるということになります。
 日本国内の永住韓国人数は約47万人です。一部の住民票移動によって「竹島領土権確立に前向きな市長を落選させること」も、県に対する「竹島の日条例廃止請求」も簡単にできるのです。
 

 髙木文部科学大臣が「外国人参政権に賛成だ」という意思を表明されたことも、ショックでした。
 
 これまで、韓国は、公然と、「日本の歴史教科書の記述内容変更要請」や「教科書採択に対する干渉」を行ってきました。
 在日韓国人団体が、教科書検定や採択の時期に、激しい運動を展開してきた事実についても、髙木大臣はご承知だろうと思います。
 

 「中国政府が尖閣諸島の領有権を主張していること」、「韓国が竹島を自国領土だと主張していること」、「ロシア大統領が『ロシア国内視察』という位置づけで国後島を訪問したこと」など現状を見つめながら、髙木大臣にも、再考していただきたいと思います。
 

 仮に外国人参政権が実現しますと、「地方で採択された教科書に於ける領土問題や日本国の領域に関する教科書の書きぶり」や「現場教師の教え方」によっては、外国人団体から、異議を唱えられ、「教育委員の解職を請求」される可能性もあると思うからです。
 

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