「心がポッキリ折れちゃった」症候群
更新日:
早いもので、今年も今日で終わりです。
私の公式サイトを訪ねていただき、拙稿をご高覧いただき、様々なご意見・アドバイスを下さった皆様、有難うございました。
今月上旬頃だったかと思いますが、元気が無い鳩山総理に対して、記者が「心が折れてしまったのではないですか」と質問しておられたのが、とても印象的でした。
今夏の総選挙で自民党が大敗した後に初めて衆議院本会議場に入った日のことを思い出しました。
麻生内閣の閣僚として直前まで活躍しておられた自民党の同僚議員が、ポツリと言いました。
「心がポッキリ折れちゃったよ。もう何も仕事をしたくない…」
その議員は、前内閣の中では、特に忙しい立場で頑張っておられました。目に見える実績を、しっかりと残されました。問題発言なども無く、イメージも良い方でした。
それだけに人気は高く、総選挙期間中も、自分自身も候補者であるにも関わらず、全国各地の同僚議員の応援にも駆り出され、大変な思いをしておられたそうです。
ところが、この前閣僚氏は選挙区では落選。何とか比例で復活当選を果たされたのです。
選挙直前まで閣僚として国務に没頭し、やっと地元に戻ってみると、有権者からは、「貴方も悪くないけど、民主党の候補者は、ずっと毎日、駅で演説して戸別訪問していたよ。熱心だから投票したくなりますよ」と言われてしまったそうです。
「国政の仕事を放り出しても、地元で演説さえしていれば選挙に勝てるのなら、自分もそうする。これまでのように真面目に働くのが馬鹿馬鹿しくなった」というのが、前閣僚氏の言い分でした。
私の選挙区でも、事情は全く同じでした。
民主党候補者は私と同じく現職国会議員でしたが、総選挙前年からの1年間以上、毎日のように選挙区で街頭演説と戸別訪問をされていたそうです。
私の方は…と言えば、総選挙前の4期目には大臣と副大臣を務めましたので、平日は国会答弁やら出張やらに忙殺され、公務の無い土曜日と日曜日に選挙区に戻るのがやっとでした。
相手の議員さんが本会議開催日の平日にも選挙区行事に出ておられるので、代理出席した私の秘書たちは相当に焦っていました。
当時の私は、秘書たちに「現職の国会議員が、いつも選挙区にいる方が変でしょう。有権者は、仕事をしている議員と就職活動ばかりしている議員の違いは分かってくれるよ」などと楽観的なことを言っていたのですが、衆議院が解散されて地元に戻ってみると、有権者は、民主党候補に対しては「毎日地元を歩いておられて、熱心だ」と高い評価をなさっていることが分かりました。
厳しい選挙結果を受けて、私の後援会でも、「こうなったら、国会をサボりまくれ!『給料ドロボー』と言われても構わない。次の選挙に当選することが優先だよ」という声も上がり始めています。
しかし、「国政の仕事よりも選挙運動を優先するならば、もう今期限りで国会議員を辞めてもいいや」というのが私のホンネです。
民主党の小沢幹事長は、若手議員の仕事は「選挙運動」だという指導をされているということですが、事業仕分けで税金の無駄を洗い出すのならば、「国政の仕事をしないで地元に張り付いている民主党国会議員の歳費」が一番の無駄なのでは?と思います。
自民党では、解散直前まで必死で政府の仕事や議員立法に取り組んでおられた多くの優秀な国会議員が落選されました。
特に、憲法調査会の議論をリードし、臓器移植法案にも中心的立場で取り組んでこられた中山太郎議員の落選には、愕然としました。
9月、10月頃は、何とか議席を確保できた自民党衆議院議員の間でも、「心がポッキリ折れちゃった」症候群が蔓延していましたが、ようやく先月あたりから、皆が気を取り直し、「闘う自民党」を目指して再起動できた感じです。
既に、私自身は、来年の通常国会での論戦に向けた準備は万端です。気合いを入れて、しっかりと頑張ってまいります。
皆様がお元気で、良い新春をお迎えになりますよう、お祈り申し上げております。