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政府への陳情を小沢幹事長が仕切る昨今

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 去る11月11日に、毎年恒例となっている来年度の国の予算に関する奈良県からの説明会が、東京都内で開催されました。

 例年は、知事が奈良県選出の与野党国会議員全員に対して奈良県関連事業で国に予算要望をしたい各項目について説明をされ、国会議員と意見交換を行った後に、知事自らが各省庁の担当部局を訪問しておられました。

 ところが、今年の説明会では、知事は延々と「奈良県民の暮らし」という資料の説明に終始。「奈良県民は肉をたくさん食べるが、野菜の摂取量は少ない…」などといった話で、具体的な予算要望項目の説明はありませんでした。
 会の終了後にも、知事は各省庁への訪問活動をなさらずに帰県されたそうです。

 実は、既にセットされていた予算説明会の直前に、民主党幹事長室から各都道府県に対して「地方公共団体や職域団体などから政府に対する全ての要望は、民主党県連の陳情窓口で一括して受ける方針になった」という趣旨の通知が発出されたため、説明会に出席した与野党国会議員に対しても予算要望ができなくなってしまったのだそうです。

 ところが、11月11日時点では民主党奈良県連には陳情窓口が未設置で、県側は困っていたようでした(その後、民主党奈良県連は慌てて陳情窓口を設置。要望会が行われたそうです)。

 民主党幹事長室の意向などは、私たち自民党議員には関係のないことであり、野党であっても、地元に必要な予算については委員会質疑や質問主意書を通じて政府の見解を質すこともできるですから、具体的な予算要望項目について例年通りの説明を伺いたかったと思います。

 早朝から招集された田野瀬総務会長と私にとっては、実に虚しいひと時でした。

 民主党が、夏の総選挙で「脱・官僚依存」「政治主導」を売り物にして政権を取ったものですから、今秋以降、明確なルール無き「政官分離」が、様々な混乱を招いています。

 私たち国会議員が、実務的な案件について官僚に伺っても、「政務三役しか分からない」「政務三役から具体的な指示がない」ということで埒があきません。

 また、施行日を控えた法律の運用について勉強をしたいとして上京された団体の各県代表者に対し、官僚が一切の接触と説明を断った役所もありました。

 これでは、「政官分離」だけではなく「官民分離」でもあります。
 国民の代表である国会議員に対してのみならず、納税者たる国民に対しても閉鎖的・秘密主義になってしまった行政の姿が正しいとは思えません。

 また、民主党幹事長室から発出された書類では、民主党県連に届けられた地方自治体や団体の要望については、民主党幹事長室がその妥当性を判断して各省庁に働きかけることとなっています。

 地方自治体の要望を民主党幹事長室のみが扱い、首長などが直接、政府の執行官庁には行きにくい状況を生んでいます。小沢幹事長が「取るに足らない陳情だ」と判断してしまったら、それまでです。

 また、鳩山政権になってからは、民主党職員が政府に入っており、民主党のシンパかどうか、国家公務員を監視しているようにも見えます。

 現在の民主党の姿は、「立法府」や「行政府」の上に「政党」が君臨する形で、どうも変な感じです。
 ナチ党、ソ連共産党、中国共産党、北朝鮮労働者党などをイメージさせるものだという指摘もあります。

 私には、行政府を民主党の私物として扱い、地域の声が届きにくくなった現在の状況は、異常なものに思えてなりません。

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