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配偶者特別控除廃止について

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 3月末に「所得税・住民税改正法案」が国会で成立し、来年の1月1日から「配偶者特別控除」が廃止されることに決まりました。
 国会審議が終わった今になって不満のお手紙が多く届くようになり、頭を痛めてます。


 今回の改正でダメージを受けるのは、奥様の収入が70万円超から103万円までのご家庭のみになります。これまでは配偶者控除38万円+配偶者特別控除38万円で最高で76万円まで控除対象になっていましたが、今後は配偶者控除38万円のみになります。


 奥様の収入が103万円超から130万円のケースでは、基本的に働く程に家計は増収します。もともと所得税と住民税も負担している上、配偶者控除38万円は現行通りだからです。


 奥様の収入が130万円超から141万円未満のケースになると、配偶者控除38万円は現行通りですし、このレベルになると、「夫の扶養を離れた」扱いで、もともと所得税に住民税、年金保険料、健康保険料まで負担しておられるのです。


 奥様の収入が141万円以上になりますと、もう「完全自立型」です。配偶者控除はゼロで、所得税、住民税、年金保険料、健康保険料を負担しておられます。


 厚生労働省の調査ではパート労働者の4分の1以上が、「所得税・住民税負担」「配偶者特別控除外れ」を嫌って、年収103万円以内に労働調整をしているそうです。
 これは、特に年末に製造業の「納期遅れ」や「不良品発生率上昇」の原因になっている上、女性の職場での地位を高めることの阻害要因にもなっています。
 労働者の4人に1人が所得税を払わない分、他の人の税率が高くなっている現状もあります。「働けば働くほど手元にお金が残る税制」への転換は止むを得ないと思います。


 一方で、育児や介護を公的サービスに頼らず家庭で行なう「専業主婦」のモチベーションを維持する事も、国家全体で見ると、社会福祉支出の減少や出生率向上に必要な視点だと思います。
 今回の税改正を受けて今後は、育児や介護に公的サービスを利用しないご家庭への「育児減税」や「介護減税」を充実すべきだと考えています(ちなみに、与党間で現在、「手当て」方式による対応が検討されているところです)。

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