コラム

  1. TOP
  2. コラム
  3. 大和の国から 平成15年11月~平成17年8月
  4. 特許審査迅速化法案に期待

特許審査迅速化法案に期待

更新日:

 先般、青色発光ダイオードを発明された中村教授の発明対価について裁判所が認めた金額が200億円と報道され、驚きとともにため息をついた方も多かったと思います。私の友人も、いきなり「発明」に目覚めて、家事をしながら便利グッズの考案に余念のない毎日です。

 日本の民間企業が費やす研究開発費は、約12兆円です。しかし、やっとこさ発明に漕ぎつけても、審査請求された特許出願のうち49%が拒絶されているのです。つまり、12兆円もの研究開発費の約半分が水泡に帰している計算になります。
 特許庁の分析では、平均すると8年も前の既存技術で特許を拒絶されているとのこと。企業が研究開発を開始する時点で既存技術を徹底調査していれば、重複する事なく、別の研究に時間や費用を活用できたわけです。

 この他にも、特許審査については、順番待ち期間の長さが問題視されてきました。現在の順番待ち期間は26ヶ月。順番待ち案件は50万件。現在の審査体制では、早晩80万件が積み上がってしまうそうです。

 特許庁は経済産業省の外局ですので、私が副大臣だった時期に特許法改正をし、審査請求料改定などで無駄な審査請求を防ぐ手立てを取ったのですが、まだまだ「知的財産立国」実現には課題が多いのです。

 今通常国会では、「特許審査迅速化法案」が審議されることとなりました。
 これが成立すると、既存技術調査のアウトソーシングが拡充されたり、出願人が既存技術調査レポートを添付すれば審査請求量が安くなったり、インターネットによる特許公報発行が可能になります。
 また、実用新案の権利期間が6年から10年に延長され、実用新案登録後でも特許出願への変更が可能になります。
 更に、特許庁の任期付審査官の早期育成や、企業と発明者の関係についての環境整備も盛り込まれています。

 早速、平成16年度予算案では任期付き特許審査官98名の増員が要求されており、「審査順番待ち期間ゼロ」の実現に向けて政治は動き出しています。
 何故か私の周りには発明で借金だらけの人ばかりなのですが、発明で大金持ちになれたらいいですよネ。

前のページへ戻る

  • 自民党
  • 自民党奈良県連
  • リンク集