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総裁選挙3候補合同演説会の感想

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 自民党総裁選挙は一昨日の9月8日に告示され、昨日午後には、自民党本部で3候補の合同演説会が開催されました。私は、少し早めに出かけて、最前列のかぶりつき席で政見を拝聴しました。

 各候補者の持ち時間は20分間。自民党総裁及び内閣総理大臣候補としての志や政策を語るには余りにも短すぎる持ち時間ですが、3候補ともに時間内にしっかりと特徴を出しておられたと思います。

 安倍候補は、原稿なしで堂々と聴衆を見据え、短い時間で分かりやすく多様な政策を語られました。
 私なりに受け止めたのは、「国民の生命や国家の主権を守り抜く為に必要な法制度を整える決意」「真面目に義務を果たす納税者がバカを見ない国作り、つまり多くの国民が職に就き、チャンスを摑み、広く薄く義務を果たして国を支えることによって、持続可能な福祉社会を構築しようという方向性」「教育改革や技術革新によって国際競争力を再生しようとする熱意」といった事柄ですが、3候補の中で唯一、「20年後の結果にも責任を持ち得る世代」ならではの視点が感じられました。

 谷垣候補は、ソフトで丁寧な語り口で、生真面目さとお人柄の良さが伝わってきました。
 政策的には、「消費税率引き上げと福祉の充実」「靖国参拝をしないこととアジア外交重視」が特徴的でした。残念ながら私自身の政策とは異なる点が多く、反論を書き出すとキリが無いので、コメントはこの辺で・・。
 
 麻生候補は、いつもの「べらんめえ調」で、会場内から最も多くの笑いを取って場を盛り上げられました。お話も実に分かりやすかったです。
 特徴的だったのは、「先ず、私の国家観をお話します」というところから演説が始まったことです。主権国家としての気概を持って行動しなければならないという思いには大賛成です。多くの政策は、安倍候補と共通するもので、私も共感することばかりでした。
 1つだけ違いが明確だったのは、国際社会の現状分析。麻生候補は、「冷戦が終わって、国際社会は米ソ2局の時代から1局の時代になった」という考え方。私は「確かに米国は超ビッグ・パワーではあるが、冷戦終結後の国際社会は多極化に向かっている」と思います。経済は、EU誕生が象徴するようにブロック化が進み、FTAやEPAで更に多極化しています。安全保障面でも、中国等の軍事力増大や民族・宗教対立などからバランスが崩れ、多極化進行中と言ってよいでしょう。安倍候補は、この点には演説で言及されませんでしたが、平素の言論から拝察するに1極化論者ではないはずだと思います。

 20日の投票日まで堂々たる論戦が行われ、自民党員のみならず国民全体が「次期政権が目指す国家像と政策の方向性」を知り得る機会となることを願ってやみません。
 ちなみに、私は安倍選対作業場担当で、電話作戦や宛名書き作業を仕切る裏方さんです。安倍さんの骨太の国家観に大いに期待する者として、地味ながら頑張っております。

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