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「大連立」の次は「政界再編」?

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 昨日、中川昭一さんが保守の政策研究会を立ち上げ、「政界再編か?」と話題になっています。
 先月には、自民党の福田総裁と民主党の小沢代表が会談し、「大連立構想」などというものも取り沙汰されました。
 
 私は、次回総選挙後に、憲法改正など「国家観」を軸にした「政界再編」が起こることが理想的だと思っています。

 中川昭一議員は思想的にも尊敬する大好きな先輩の1人ですが、現時点での政策研究会立ち上げの意図が、「国家観を軸にした政界再編」なのか、「衆参ねじれ解消の為の保守系民主党参議院議員引き抜きの受け皿作り」なのか、「落選中の郵政造反組救済の受け皿作り」なのか、「次回の総裁選挙出馬を目指しての派閥作り」なのか、よく分からずにいます。

 また、現時点で「大連立」という手段を選択することにも抵抗感があります。大連立政権では、打ち出せる政策がベストなものではなく、妥協の産物になると思うからです。

 しかし、民主党の小沢代表の「民主党には政権担当能力がない」というご発言と「大連立構想」の関係は、理論的には理解できました。

 以前に、年金問題で、民主党議員が「野党だから情報が入らない」と発言されました。野党にとっては、大連立による政権参加で、「情報も入り」「政策も実現でき」「政権担当能力も身につく」というメリットがあります。
 ドイツの1966年大連立の時、「万年野党」と言われた社民党は、現実路線に転じ、東方政策など大きな仕事を成し遂げました。

 また、現在の「衆参ねじれ」によって国会審議が停滞している状況を打開するには、「民主党が次期総選挙でも勝利」か、「政界再編」か、「大連立」か、3つしか方法がないのも確かです。
 衆院解散権は総理にありますし、政界再編の場合は自民党も民主党も分裂するでしょう。
 あの時の小沢代表は、「党を分裂させず」に「政策実現で政権担当能力を示す」ために、捨て身の覚悟をされたのだろうと拝察しています。

 さらに、「小選挙区制度」による選挙戦の性質も、「大連立構想」が出てきた理由かと思います。
 私の初当選は中選挙区でした。奈良県は全県区で5名の当選者でしたから、当選者の得票率は12%から18%でよかったのです。6人に1人の支持を得られれば当選できるのですから、候補者としては思い切った発言ができました。
 現在の小選挙区制では、1人しか当選できませんから、当選者の得票率は大抵40%から50%以上となります。「一時的には国民に不人気だが、長期的には国家・国民の為に必要な施策」などを主張すると、落選の憂き目に遭います。
 もしも与党が「増税する」と言えば、野党は「増税しない」と言うでしょう。税、年金、医療、福祉、憲法改正などは候補者にとってリスクの高いマターとなり、下手をすると「予算ばら撒き公約合戦」になりかねません。
 大連立を組むことで、「消費税問題を選挙の争点にしない」といった調整が可能であるという視点があったのではないかと思います。

 いずれにしましても、今は、政策中心の「真の政界再編」が成就する時期ではないような気がしてなりません。

 衆参のねじれがあっても、国民の為に必要な法案は通さなければなりませんし、原油価格高騰が中小企業を直撃し、農山村など地方経済が疲弊している状況下では、平成20年度予算と予算関連法案の早期成立は必要だと思います。
 与野党が良識を持って政策協議を行うこと、国民の皆様にしっかりと各党の行動を見極めていただくことが重要だと考えています。

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