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皇室典範問題について

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 1月25日に、内閣府職員の方が、皇室典範を一部改正するための法律案の概要について説明に来て下さいました。
 まだ、条文化されていないもので、下記のようなごく簡単なペーパーでした。

【改正のポイント】

①皇位継承資格者に、皇統に属する女子及びその子孫の皇族を含める(現行では、皇統に属する男系男子に限定)。
②皇族女子は、婚姻しても皇室にとどまる(現行では、皇族女子は婚姻により、皇室を離れる)。
③皇位継承順序は、直系の長子を優先することとする(現行では、直系・長系・近親優先)。

 つまりは、「女性天皇容認」、「女系天皇容認」、「第1子優先」という内容です。

 私なりに概要を拝見して不安に思った点もございましたし、2番目の変更によって皇室予算にも変化が生じる問題だと思いましたので、去る1月27日の衆議院予算委員会で、この案件の担当閣僚であられる安倍官房長官に質疑を行いました。
 短い割り当て時間の中で、他に金融問題や防衛問題も質問しましたから、わずか2点の質疑です。また、皇室典範の問題では未だ条文化されたものもく、国会に提出もされていない現状ですから、この日はごく簡単に安倍長官の考え方を伺うに留めました。

 私の事務所にも自民党本部にも、皇室典範については多くのご意見が寄せられておりますので、当日の官房長官とのやりとりについて、概要をご紹介します。

高市早苗;
 私自身は、「女性天皇」には反対しないが、「女系天皇容認」と「長子優先」については、慎重に検討していただきたいし、党内でも議論を深めたいと希望している。
 恐れ多い例えではあるが、仮に、愛子様が天皇に即位されたら、「男系の女性天皇」になられる。そして、愛子様が山本さんという皇族以外の方と結婚されて、第1子に女子の友子様が誕生し、その友子様が天皇に即位されたら、「女系の女性天皇」となられる。この友子天皇の男系の祖先は山本家・女系の祖先は小和田家ということになるから、今回の法改正により、2代目で天皇陛下直系の祖先は女系も男系も両方民間人になる可能性がある。
 また、男親から男の子供、つまり「男系男子」に限って正確に受け継がれてきた初代天皇のY1染色体は途絶する。
 男系の血統が125代続いた「万世一系」という皇室の伝統も、「天皇の権威」の前提でもあると感じている。
 官房長官は、皇位が古代より125代に渡って一貫して「男系」で継承され続けてきたことの持つ意味、皇室典範第1条が「男系男子による皇位継承」を定めている理由は何だったとお考えか?

安倍官房長官;
 憲法第2条に規定する世襲は、天皇の血統につながるもののみが皇位を継承するということと解され、男系、女系、両方が含まれる。
 皇室典範第1条が男系男子に限定してることについては、過去の事例を見る限り男系により皇位継承が行われてきており、それが国民の意思に沿うと考えられること、女性天皇を可能にした場合には、皇位継承順位など慎重な検討を要する問題があり、なお検討を要すること、男性の皇位継承者が十分に存在していること、この3つが当時の国会の論点だった。
 男系継承の意義については、学問的な知見や個人の歴史観、国家観に関わるもの。私は官房長官として政府を代表する立場なので、特定の立場に立つことは差し控えたい。
 いずれにしても、政府としては、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを受け止めつつ、皇位継承制度の在り方を検討すべきものと考える。


高市早苗;
 昨年11月下旬に提出された有識者会議報告書が法案のたたき台だと思うが、まだ多くの国会議員は報告書を入手していない。国民の皆様の理解も進んでいないと思う。
 また、「女系天皇」が即位される可能性は、皇太子殿下が「男系男子の天皇」として即位され、現在4歳の愛子様が「男系女子の天皇」となられた後、数十年先に即位されるかもしれない天皇のことなので、まだ十分に検討の時間はあると思う。
 今国会で急いで皇室典範一部改正法案を提出される理由は?

安倍官房長官;
 皇位継承は、国家の基本にかかわる事項。天皇が内閣の助言と承認のもとに内閣総理大臣や最高裁長官の任命、国会の召集など重要な役割を担う以上、どのような事態が生じても安定的に皇位が継承されていく制度でなければならない。
 皇太子殿下の次の世代に皇位継承者が不在であるという不安定な状態は早期に解消される必要があると、政府は考えている。
 将来の皇位継承者には、それに相応しいご養育を行う、いわゆる帝王学だが、その必要を考えれば、緊急の課題である。
 このような認識から議員各位や国民の皆様のご理解を賜りながら、今国会に法案を提出していく考えだ。


高市早苗;
 まだ40代の皇位継承者が複数おられる中で、今国会で慌てて提出される必要があるのか。
 私たち日本人にとって、祖先が守り続けてきた非常に大切な伝統をどう変えるのか、守るべき伝統は何で、変えるべき伝統は何なのか、という議論も深めたいので、十分な議論の時間をいただきたいと希望する。(以上。この後、防衛庁への質疑)
 いずれ法案が条文化されましたら、国会提出までに自民党の内閣部会などで、私たちも議論に参加できることと思いますので、その折には、安定的な皇位継承の対案も含めて、積極的に議論に参加したいと思っています。

 これは、単純に「男女平等」などという価値観で判断してよい問題ではないと思います。
 私は、「女系」「長子優先」には幾つかの懸念を覚えるものの、決して「女性天皇」に反対しているわけではないのですが、現実的には女性が皇位を継ぐということ自体も、肉体的には大変なことなのだろうと想像しています。
 多くの国事行為、外国賓客への対応、宮中祭祀など、お休みの間もなく過密なご日程ををこなされている天皇陛下。皇位につかれた女性天皇が、激務をこなしながら、お世継ぎを妊娠し、出産されるということも、肉体的にも精神的にも想像を絶する大変なことなのだろうと思います。

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