印象深かった本
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雑誌等の取材で、「代議士のストレス解消法を教えて下さい」というご質問を度々いただきます。
何よりのリラクゼーションは、スキューバ・ダイビング。海の底で漂いながらお魚ちゃんを見るのは至福の時です。しかし、国会休会中も地元での公的行事への参加や国政報告会の開催等で日程を詰めてしまうので、年に1度行けるかどうかです。
すご~く精神的につらい事が起きてしまった場合、簡単な気分転換は、夜中に弟と2人でカラオケ・ボックスに籠もり、お互いに相手の歌は聴かずに、自分が歌いたい歌を大声で歌うこと、又は深夜営業のボーリング場でボーリングをすること。しかし、これも先月に弟が結婚してしまい、愛妻を置いてまで姉ちゃんのお守りはしてくれなくなりました。
やはり、なんと言っても、独りで完璧にストレス解消が出来るのは「読書」です。毎晩ベッドに入ってから1時間程の読書タイムは、もう10年以上も私の習慣です。
それまでも夜に本を読むことは多かったのですが、落選中に毎晩の日課となりました。 政治活動を始めてから自分の身に降り掛かる「嫌な事」というのは、それまでのものとは質が違い、かなり強烈でした。立候補を宣言した途端、根も葉も無い誹謗中傷の怪文書を選挙区中にバラ撒かれ、事務所が放火されたり、脅迫電話がかかったり・・。とても平凡なサラリーマン家庭に生まれ育った私には初めて経験する「嫌な事」ばかりで、落ち込む日が続きました。
ところが、眠る前に1時間でも本を読むと、頭の中がすっかり「本の世界」になって、そのままグッスリ眠ると、翌朝には「前日起きた嫌な事」など、どうでもよくなっているのです(単純な人間なの)。睡眠時間が3~4時間しか確保できない選挙期間中でも、1時間を削って読書は続けています。
現在でも、選挙がらみの嫌がらせは減りませんが、夜中に読書さえすれば、翌朝には笑顔で登院し、国政案件に没頭できるのは有難いことです。毎晩1時間の読書タイムと週末に選挙区に戻る電車の車中の時間を合わせると、毎週4~5冊は読めます。
さて、押しつけがましいのですが、最近読んで印象深かった本の中で、是非とも多くの皆様にお読みいただきたい1冊が有ります。(私も政策秘書の緒方君から「代議士、良い本ですよ。是非読んでみて下さい」と薦められて読みました。)
「親日派のための弁明」(著者;金完燮、訳者;荒木和博・荒木信子、草思社)
「韓国で生まれ育った私にはかつて強い反日感情がありました。(中略)1995年の阪神大震災のころがピークだったと思います」と始まる本です。その後、海外に出た著者が初めて「実物の日本人」に出会い、客観的に韓国と日本を見る事から、日本への感情が変わっていきます。
「日韓併合」を、韓国に産業や教育の近代化をもたらしたものとして分析し、「竹島が日本の領土であること」「日本の首相の靖国神社参拝や教科書内容にクレームをつける韓国政府の理不尽」などなど、これまで韓国人からは決して発信されなかった主張が書かれてあります。
この本は、韓国では、政府の検閲機関である刊行物倫理委員会により「青少年有害図書指定」を受け、また、著者のウェブサイトも、情報通信倫理委員会という政府の検閲機関によって閉鎖されてしまったそうです。著者は検察で取り調べを受け、宣伝の為の来日も叶わない状況と記されてありました。
まさに命懸けで書かれた1冊です。