真紀子さん独り勝ちの参考人質疑
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田中真紀子代議士と鈴木宗男代議士への予算委員会参考人質疑は「真紀子さんの独り勝ち」に終わりました。
勝者は真紀子さん1人(敢えて加えれば野党も)でしたが、敗者は鈴木宗男代議士、外務省、そして小泉総理と福田官房長官だったと思います。
予想通り、「言った言わない」の真実は藪の中で、野上次官と電話をしながら真紀子さんが取ったとされるメモの件のみは真紀子さんの記憶違いということでしたが、それは大した問題にはなりませんでした。
野党の質疑者は、真紀子さんを持ち上げては彼女から小泉政権攻撃の答弁を引き出そうとしていました。真紀子さん自身が閣僚でない現在、野党の戦略は小泉総理を含む現職閣僚や自民党のイメージ・ダウンを計ることでした。
自民党側も官邸側も、よもや自民党員である真紀子さんが自民党に不利な答弁をすることはないだろうと安心し切っていて、むしろ真紀子さんを傷つけぬ様、与党側からは彼女に不利な質疑を行なわない様、配慮していたのでした。
ところが、真紀子さんの攻撃の矛盾は総理と官房長官に向けられ、小泉内閣および自民党の支持率低下は避けられない状況となりました。
野党は作戦が図に当たって大喜びですが、自民党内では「いつも自分が所属する組織を批判して国民の人気を取るのなら、さっさと離党してくれ!」と怒号が飛び交う大騒ぎ。しかし、マスコミと殆どの国民を味方につけている真紀子さんを党紀違反で処分しようものなら、更に自民党の評判が落ちるのは確実で、党幹部もしょんぼりするしかない状況でしょう。
秘書会の事情通の方々によると、福田官房長官の答弁で登場した「真紀子さん宛のブッシュ大統領歓迎レセプション招待状を受け取った眼鏡をかけた髪の毛を真ん中で分けた田中事務所秘書」は参考人質疑の直前にクビになって国会周辺から姿を消してしまったのだそうで、これも確認の仕様がなくなりました。「今後は田中事務所に文書を出す時は配達証明付郵便にしましょうね」「電話は録音した方がいいですね」と囁き合う始末・・。
とにかく、参考人質疑後の自民党内の虚脱感と絶望感は大変なものでした。
小泉総理を必死で支えてきた清和会内でも、幹部が半ばヤケクソで「純ちゃんには良い薬だよ。組閣の時に、田中外相では外交そのものが出来なくなるとアドバイスしたのに入閣させたんだから。自業自得だ」と突き放した発言をした程でした。
参考人質疑後のテレビ番組で、主婦の方々がインタビューに対して「真紀子さんは絶対に真実を言ってます」「小泉総理には失望しました」「自民党にはもう投票しません」と答えておられるのを見て、
週末世論調査では内閣支持率も自民党支持率も急落するんだろうなあ・・と思いました。
確かに小泉総理も自民党も大変でしょうけれど、今は、政府も国会も一刻も早く資産デフレ対策の議論に移行し、これ以上の失業者を出さぬ様に責任を果たす時です。