中国籍研究員による情報流出について
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国立研究開発法人「産業技術総合研究所」で研究内容を中国企業に漏えいしたとして、中国籍の研究員が6月15日に警視庁に逮捕され、7月5日に起訴されました。
国立研究開発法人や大学などの研究機関は、国家基盤プロジェクトへの参画などを通じて我が国の重要課題に取り組んでいることから、より徹底した情報管理や研究インテグリティ(研究者及び大学・研究機関等における研究の健全性・公正性)の確保が求められます。
このため、6月20日に、私の名前で、国立研究開発法人を所管する7省の担当局長宛に、「研究インテグリティの確保の徹底」を要請する通知を発出しました。
6月29日には、改訂した「研究の国際化・オープン化に伴う新たなリスクに対するチェックリスト(雛形)」を添付した、研究インテグリティの確保のためのリスクマネジメントの仕組み整備の重要性に関する事務レベルの通知を発出しました。
研究開発力の強化のためには、卓越した外国人研究者の能力の活用は重要ですが、それと同時に、各研究機関で情報セキュリティ等の強化も含め、機密情報をしっかり守る取組が求められます。各機関で必要な体制を整え、対応していただきたいと考えています。
尚、産業技術総合研究所では、同研究員の不審な行動に疑問を持って以来、警視庁のご協力も得ながら、長期にわたって調査を続けた結果、研究員の逮捕に到りました。
今回の事件は「氷山の一角」である可能性も高く、国立研究開発法人のみならず、大学や大学院においても、研究インテグリティ・セキュリティの取組が十分に行われなければなりません。
特に大学や大学院においては、「図利加害目的」でない場合など『不正競争防止法』では対応できないケースも多いと考えられ、法制度整備も含めて知恵を絞るべき時だと考えています。