宇宙ビジネスへの期待
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12月11日に、日本のベンチャー企業であるispace(アイスペース)社の月着陸船が、米国スペースX社のロケット「ファルコン9」で打上げられました。
約5カ月後に月面着陸に成功すれば、民間事業者として月への軟着陸に成功する世界初の事例になります。
また、先日、ispace社による「月面資源開発計画」について、『宇宙資源法』に基づき許可を行い、公表したところです。
ispace社が採取したレゴリス(砂)のNASAへの所有権移転が実現すれば、月面での宇宙資源の商業取引として世界初の事例になりますので、成功を大いに期待しています。
今回、月面着陸船の打ち上げを行ったispace社が目指す「月面への輸送サービス」の実現は、月面や月周辺の経済活動の基盤となるものです。
今回の打ち上げ成功が、月面や月周辺での経済活動も含めて、今後の宇宙ビジネスの更なる成長に繋がることを期待しています。
現在、多くの民間企業が月面の探査と利用に関心をもち、月面産業に関する協議会を作るなど、積極的な取り組みを行っておられます。
宇宙の開発・利用は、多くの民間企業の活動によって支えられており、ispace社のようなスタートアップも含め多くの企業が宇宙産業に参入することが、重要だと考えています。
このため、政府としても、様々な支援策を講じてきています。
例えば、スペースデブリ除去に係る重要技術の研究開発及び宇宙実証を、デブリ除去の事業化を目指す民間事業者と連携した体制で実施しています(商業デブリ除去実証:Commercial Removal of Debris Demonstration/CRD2)。
人工衛星・ロケット関連の技術開発支援として、大学や研究機関、民間企業等が開発する部品や機器、超小型衛星に宇宙での実証機会を提供するため、約2年に1度の打上げや小型実証衛星の開発・運用を行っています(革新的衛星技術実証プログラム)。
また、衛星データを利用した新事業を促進するための支援として、地方公共団体などのニーズを踏まえ、社会課題解決のための衛星データを利用したソリューション開発の集中的な実証支援を行い、成功事例の創出・成果の横展開を図っています(衛星データ利用促進のための地域実証事業)。
宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト(S-Booster)では、ビジネスアイデアを、国内・アジア・オセアニア地域のベンチャー企業、個人、異業種から幅広く募集し、専門家によるブラシュアップを通じた事業化支援を行っています。最優秀賞には、賞金1000万円を授与しています。
政府として、より多くの企業が宇宙産業に参入できるよう、引き続き支援を実施してまいりたいと存じます。