韓国の新政権に望むこと
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今日5月10日、韓国では、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が就任されました。ご就任をお祝い申し上げます。
去る3月10日の大統領選挙で政権交代となった韓国。
尹大統領は、大統領選挙戦では「北朝鮮への厳しい姿勢」を示され、当選後も「日本との関係改善」に意欲を示してこられましたので、多くの日本人が好感を持って就任を祝っておられることと思います。
北朝鮮の暴挙に対処する上で「日米韓の安全保障上の協力強化」は必要ですから、私自身も「前政権に比べると、期待できる」と思いつつ、今日を迎えました。
同時に、「法」よりも「情」が重んじられるとされ、また、国家指導者の方針や言動が世論に左右されやすいとも言われる韓国ですから、今後、尹大統領が日韓関係の改善の為に如何なる具体的行動をとられるのかについては、厳しく見定めていきたいと考えています。
「戦後最悪」とも言われる日韓関係について、その原因は、韓国側の「3つの違反」によるものだと考えています。
1つ目は、「国家間の約束の違反」です。
『慰安婦問題を巡る日韓合意』に関し、我が国は合意を誠実に履行し、10億円を和解・癒やし財団に拠出しましたが、韓国は財団の解散を一方的に表明しました。慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認した『日韓合意』は、反故にされた状況です。
2つ目は、「国際法への違反」です。
旧朝鮮半島出身労働者問題を巡る韓国大法院判決と日本企業の資産差押えは、「両国及び両国民間の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決され、いかなる主張もできない」ことを定めた『日韓請求権協定』への明確な違反です。
加えて、島根県の竹島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも、国際法上も明らかであるにもかかわらず、昭和27年に「李承晩ライン」を一方的に設定してライン内に取り込み、本日に至るまで不法占拠を続けていることも、明白な国際法違反です。
先月27日には、産経新聞が「韓国が、不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)の地形や周辺海域に関する精密な測量計画を進めていること」を報じました。我が国の領海内で他国が測量を実施する場合には、『国連海洋法条約』に基づき「日本の明示的な同意」が必要ですが、韓国の政府機関「国立海洋調査院」(KHOA)は日本の同意を得ずに、測量の計画を公表し、入札まで行っていたというのです。
3つ目は、「国際儀礼への違反」です。
日本公館前に慰安婦像を設置することは、国際儀礼上、許されるものではありません。各地で慰安婦像を放置する韓国政府や自治体には、怒りを禁じ得ませんでした。
日韓関係の今後の展望は、尹大統領がこれらの「3つの違反」を是正することによってのみ、開けるものだと考えます。