教育基本法改正の審議再開を望む
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11月20日現在、教育基本法改正の為の国会審議がストップしています。
政府提出の教育基本法改正案は、採決に反対する野党議員が欠席のまま、先週15日に衆議院の委員会で可決、16日には衆議院本会議で可決され、直ちに参議院に送付されました。
昨日の報道番組に出演されていた野党議員のご主張は、「重要な基本法であるのに、十分な議論が尽くされていない」「学校現場の未履修問題、タウン・ミーティングやらせ問題が解決してから議論すべき」といった内容でした。
審議時間は、既に衆議院だけで107時間に達しており、ほぼ全ての条文についての議論が終了したのではないかと思います。野党議員の質疑内容も重複するものが多くなりつつありました。
また、法案の国会提出までの数年間、与党も野党も党内議論を重ねてきていますので、論点もかなり明確になっていました。
16人の参考人質疑や6ヶ所での地方公聴会も実施されました。
「未履修問題」や「タウン・ミーティングやらせ問題」は、いずれも看過できない事柄で、早急な調査と改善策の提示が必要であることも確かです。現在、文部科学省も内閣府も与党も、十分に反省しつつ、懸命に原因究明と改善方法の検討に取り組んでいます。
しかし、「目の前にある問題」を理由に、教育基本法改正の議論を来年以降に先送りすることだけは避けていただきたいと願っています。
教育基本法改正は、様々な「目の前にある問題」を解決する為にも重要な作業なのです。
教育基本法は「教育の憲法」と呼ばれる法律です。
日本の全ての国内法が日本国憲法の規定に反することのないように制定されているのと同じ様に、学校教育法や学習指導要領なども教育基本法の理念に準じて作られています。
年末までに教育基本法改正案が成立しますと、来年早々からは、新基本法の理念に沿って教育に関する諸法律や学習指導要領などの見直しが可能になるのです。
教育基本法改正については、民主党も立派な対案を提出されて、衆議院では両案について熱心な議論が展開されました。
政府案も民主党案も「公共の精神」「道徳心」「家庭教育」「職業観・勤労観」などを重視している点では一致しています。両案とも「子どもの規範意識向上」「学校・地域・家庭の教育力向上」を目指しています。
いずれも、いじめや青少年犯罪の増加、学力低下、ニートの増加などにも危機感を持ちつつ作られた法案です。
私は、閣僚として教育基本法の委員会審議に参加させていただいておりましたが、率直な感想を申し上げれば、政府案でも民主党案でも、現行教育基本法よりは「マッチ・ベター」だと思います。現在社会が直面している様々な問題に対応できる内容になっているからです。
「学校教育の責任の所在」や「権利享受の対象を日本国民に限定するか外国人まで広げるか」といった幾つかの相違点については、政府案の方が優れていると感じますが、それでも現行法では対応できない問題を解決できるという点では、民主党案も素晴らしいご提案です。
「恐らく与野党間で法案修正協議が行われるだろう」と聞いていましたので、「与野党が衆知を結集して、互いの良い部分を取り入れ、更に磨かれた基本法制定を目指されるなら、何と素晴らしいことだろう」と楽しみにしておりましたが、民主党役員会で「修正協議は不要」と決まったそうで、残念でなりません。
全国会議員や全国民が賛成できる法案を作ろうとすると、それは100年かかっても無理なのだろうと思いますが、教育改革を1歩でも2歩でも進める為には、いつまでも骨組みの「基本法」の議論で足踏みをしているわけにはいかないのです。
目の前で起きている様々な問題に可能な限り早急に対処して改善していくのは、政府の当たり前の責務です。しかし、それを理由に、教育基本法改正を受けて始まる多くの教育関連法制度の整備を遅らせてはいけないと思います。
子どもたちは、日々成長し、生涯で1度しか経験できない教育機会の中に居ます。
議論を先送りするのではなく、1年でも早く新しい教育内容と新しい教育環境を提供する必要があると考えています。
政府提出の教育基本法改正案は、採決に反対する野党議員が欠席のまま、先週15日に衆議院の委員会で可決、16日には衆議院本会議で可決され、直ちに参議院に送付されました。
昨日の報道番組に出演されていた野党議員のご主張は、「重要な基本法であるのに、十分な議論が尽くされていない」「学校現場の未履修問題、タウン・ミーティングやらせ問題が解決してから議論すべき」といった内容でした。
審議時間は、既に衆議院だけで107時間に達しており、ほぼ全ての条文についての議論が終了したのではないかと思います。野党議員の質疑内容も重複するものが多くなりつつありました。
また、法案の国会提出までの数年間、与党も野党も党内議論を重ねてきていますので、論点もかなり明確になっていました。
16人の参考人質疑や6ヶ所での地方公聴会も実施されました。
「未履修問題」や「タウン・ミーティングやらせ問題」は、いずれも看過できない事柄で、早急な調査と改善策の提示が必要であることも確かです。現在、文部科学省も内閣府も与党も、十分に反省しつつ、懸命に原因究明と改善方法の検討に取り組んでいます。
しかし、「目の前にある問題」を理由に、教育基本法改正の議論を来年以降に先送りすることだけは避けていただきたいと願っています。
教育基本法改正は、様々な「目の前にある問題」を解決する為にも重要な作業なのです。
教育基本法は「教育の憲法」と呼ばれる法律です。
日本の全ての国内法が日本国憲法の規定に反することのないように制定されているのと同じ様に、学校教育法や学習指導要領なども教育基本法の理念に準じて作られています。
年末までに教育基本法改正案が成立しますと、来年早々からは、新基本法の理念に沿って教育に関する諸法律や学習指導要領などの見直しが可能になるのです。
教育基本法改正については、民主党も立派な対案を提出されて、衆議院では両案について熱心な議論が展開されました。
政府案も民主党案も「公共の精神」「道徳心」「家庭教育」「職業観・勤労観」などを重視している点では一致しています。両案とも「子どもの規範意識向上」「学校・地域・家庭の教育力向上」を目指しています。
いずれも、いじめや青少年犯罪の増加、学力低下、ニートの増加などにも危機感を持ちつつ作られた法案です。
私は、閣僚として教育基本法の委員会審議に参加させていただいておりましたが、率直な感想を申し上げれば、政府案でも民主党案でも、現行教育基本法よりは「マッチ・ベター」だと思います。現在社会が直面している様々な問題に対応できる内容になっているからです。
「学校教育の責任の所在」や「権利享受の対象を日本国民に限定するか外国人まで広げるか」といった幾つかの相違点については、政府案の方が優れていると感じますが、それでも現行法では対応できない問題を解決できるという点では、民主党案も素晴らしいご提案です。
「恐らく与野党間で法案修正協議が行われるだろう」と聞いていましたので、「与野党が衆知を結集して、互いの良い部分を取り入れ、更に磨かれた基本法制定を目指されるなら、何と素晴らしいことだろう」と楽しみにしておりましたが、民主党役員会で「修正協議は不要」と決まったそうで、残念でなりません。
全国会議員や全国民が賛成できる法案を作ろうとすると、それは100年かかっても無理なのだろうと思いますが、教育改革を1歩でも2歩でも進める為には、いつまでも骨組みの「基本法」の議論で足踏みをしているわけにはいかないのです。
目の前で起きている様々な問題に可能な限り早急に対処して改善していくのは、政府の当たり前の責務です。しかし、それを理由に、教育基本法改正を受けて始まる多くの教育関連法制度の整備を遅らせてはいけないと思います。
子どもたちは、日々成長し、生涯で1度しか経験できない教育機会の中に居ます。
議論を先送りするのではなく、1年でも早く新しい教育内容と新しい教育環境を提供する必要があると考えています。