今日は「電波の日」
更新日:
6月1日は「電波の日」です。
「電波の日」は、昭和25年6月1日に「電波法」と「放送法」が施行され、電波の利用が広く国民に開放されたことを記念して設けられました。
総務省では、毎年6月1日から10日を「電波利用環境保護周知啓発強化期間」として、 電波利用ルールについての周知・啓発活動や不法無線局対策を重点的に実施しています。
今年度は、「デーモン閣下」に啓発活動のイメージキャラクターをお引き受けいただいています。
6月の強化期間だけではなく1年間に渡って、デーモン閣下のポスターやリーフレットを活用させていただき、積極的に周知啓発活動を行っていきます。
先般、思いがけずデーモン閣下が大臣室を訪ねて下さり、電波利用ルールの重要性や総務省の取組みについて、私から直接ご説明申し上げるチャンスを得ることができました。
何故か、私が大臣に就任した平成26年度のイメージキャラクターは「ウルトラマン」で、平成27年度は「ゲゲゲの鬼太郎」だったものですから(当時の電波部職員の好みで選んだのだとは思いますが…)、周知啓発活動の趣旨を御本人に説明することは不可能でした。
「電波の日」である今夜、デーモン閣下は都内でライブを開催されるとのこと(ライブの日時設定は偶然なのだそうですが、閣下の勘は凄いのかも)。
さて、電波行政について、少し書かせていただきます。
私達が電波を利用するようになってから約120年になりますが、今や、電波は、テレビ、ラジオ、電子レンジ、携帯電話、非接触のICカードなど、様々な場面で利活用されており、日々の暮らしに欠かせない「生活インフラ」となりました。
また、消防・防災、警察、航空・海上無線などの重要無線は、国民の生命を守る「重要インフラ」でもあります。
総務省では、皆様の生活を「より安全に」「より便利に」できるようにと願いながら、電波行政を進めています。
第1に、「安全」を確保する為の取組みをご紹介します。
不法電波によって電波障害が起きないよう、電波は、ルールを守って利用していただくことが大切です。
総務省では、混信や妨害を迅速に排除し、良好な電波利用環境を維持する為に、「電波監視」に取り組んでいます。
具体的には、
①消防・防災無線、航空・海上無線などへの電波妨害に対応する為の「全国規模の電波監視設備」
②航空管制などに用いられる短波帯通信への国内外からの電波妨害に対応する為の「短波監視設備」
③国内外の人工衛星などからの電波妨害に対応する為の「宇宙電波監視設備」
を整備し、24時間365日体制で重要無線通信妨害に対応しています。
今年度(平成29年度)からは、更に、
①第4世代携帯電話などより高い周波数帯を利用する無線システムに対応する電波監視体制の整備
②2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、競技会場やその周辺における電波監視体制の充実・強化
を行う為、電波監視設備の整備拡充を図る予定です。
電波監視関連予算(電波利用料)も、平成28年度は約63億円でしたが、平成29年度は約93億円に増やしました。
不法無線局の設置や電波妨害は、人命に関わる事態を招きかねません。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
第2に、「便利」な暮らしの為の取組みをご紹介します。
電波は有限希少な資源ですので、「いかに有効に使うか」が大切です。
この点、我が国は、「放送のデジタル化」という大挑戦を成功させ、そのシステムやノウハウを海外に輸出している先進国です。
今年度、私が特に力を入れているのは、「新幹線トンネルにおける携帯電話不通区間の解消」です。
新幹線のトンネルは、全国で1100キロメートルありますが、約半分の560キロメートルのトンネルでは、未だに携帯電話が通じません。
新幹線での移動時に携帯電話を利用できるようにすることは、乗客の方々の利便性や安心・安全の確保といった点で重要です。
そこで、今年度から予算を大幅に増額しました。
平成32年度(2020年度)までに、全ての新幹線のトンネルで携帯電話が使えるようにすることを目指しています。
また、「Wi-Fi利用環境の整備」も進めています。
昨年の熊本地震の際には、避難された方が災害情報を収集し、御家族や知人と連絡を取り合う上で、避難所のWi-Fiが大いに役立ちました。
そこで、平成31年度(2019年度)までに、全国の指定避難所など約3万箇所のWi-Fi整備を目標とする「整備計画」を、昨年12月に策定しました。
この「整備計画」の達成に向けて、支援策を抜本的に拡充しました。
電波利用料を活用し、予算を大幅に増額した上で、財政力の弱い地方公共団体を対象に上乗せ補助を行うなど支援策を強化し、Wi-Fi整備を加速化させていきます。
更には、「第5世代移動通信システム(5G)の実用化」を目標にしています。
5Gは、今の携帯電話のシステム(LTE)と比較して、「超高速」(約100倍の通信速度)、「多数接続」(約100倍の機器が同時接続可能)、「超低遅延」(約10分の1の遅延)という特徴があり、IoT時代の重要な通信インフラとなるものです。
大容量のデータを瞬時にやり取りできるだけでなく、身の周りのより多くのものがネットワークに繋がることが可能になります。
具体的には、5Gによって、どんなことが可能になるのでしょうか。
例えば、スポーツ観戦において、好きな視点からの迫力ある映像を、これまでにない臨場感で楽しむことができるようになり、「スポーツの楽しみ方が変わる」こと。
また、離れた場所から正確に建設現場の建機を遠隔操作できるようになり、自宅に居ながら建設現場の施工管理を行うなど、「新しいワークスタイルが可能になる」こと。
総務省では、様々な分野の関係者が参加する6つの実証プロジェクトを、東京だけではなく地方でも実施することを、先月に発表しました。
平成32年度(2020年度)には、世界に先駆けて5Gを導入することを目指して、取組みを加速していきます。