この2週間、私の最優先課題:北朝鮮船舶臨検
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この2週間、様々なことが起こりました。
先々週は、夫(山本拓衆議院議員)が「自民党総裁選挙の前倒し実施」を求める署名運動を始め、「山本さんに電話をかけたけれど、つかまらないんだよ。一体、どうなっているんだ?」と、同僚議員から私のところに夫の真意を問う電話が殺到したこと。
そして、先週は、日本郵政の西川社長の留任に反対された鳩山総務大臣が辞任されるという出来事があり、マスコミの最大の関心事となっていました。
先週末に選挙区で開催した幾つかの国政報告会に参加して下さった有権者の方々からのご質問も、「麻生総理と鳩山前総務大臣と、どちらが正しいと思いますか?」というものが多くございました。
何れも内閣の命運に関わる大きな出来事だったのでしょうが、私自身は、別のことで頭が一杯でした。
現在の日本が直面している最大の課題は、「北朝鮮の軍事行動によって日本人の生命が危険に晒される事態を、如何に回避するか」ということであって、政府も与党議員も、この事態打開に最優先で取り組むべき時だと思っております。
昨今の北朝鮮の動きは、「過去の威嚇行為とは、何かが違っている」という危機感を覚えています。
日本の科学技術や部品、各国の資金や資源が、北朝鮮の核兵器搭載ミサイル開発に使われないために徹底した措置を採るべき段階に来ています。
北朝鮮を仕向地とする全ての品目の輸出を禁止することは、日本政府が採るべき当然の措置ですが、第三国経由で部品や資源が輸送されることを阻止する行動も急がれます。
先々週と先週は、山本一太参議院議員はじめ同じ危機感を持つ同僚議員と会合を重ね、「北朝鮮の行動と国連安保理の意思が次の段階に進んだ場合」に備えた議員立法作業をしていました。
私自身は副大臣として政府内に居るため、議員立法案を国会に提出する権利はありませんが、条文内容について知恵を出し、他の同僚議員に提出を託すことはできますので、夜間に条約や関連法律を読み込み、新法案作成作業に没頭しました。
今般の国連安保理決議は、私が期待したものよりもはるかに緩やかなものでしたので、この決議に対応した「北朝鮮船舶への臨検」を実施するための法律案は、既に与党で準備が進んでおり、早晩、発表されるはずです。
しかし、北朝鮮の行動がエスカレートして、「国連海洋法条約を制限する内容の国連安保理決議」が出た場合、日本の現行法や今週発表されるであろう法律案では対応できません。
現行法でも、「日本領海内での臨検」は可能です。外為法違反などの容疑で警察権を行使することができます。
ところが、「公海上での臨検」については、国連海洋法条約が「旗国の同意」を要件としています。北朝鮮の臨検同意など期待できず、領海限定の臨検のみでは効果が期待できません。
今後、北朝鮮の行為に応じて累次の国連安保理決議が出るかと思いますが、「国連海洋法条約を制限する強い内容の決議」が出てきた場合に、日本としても「北朝鮮の同意なく公海上で行う臨検」を可能とする法律が必要なのです。
北朝鮮政府や船長の同意なく臨検を行うということになると、武器による攻撃を受ける可能性が高いわけです。
ところが、武器使用の範囲については、現行の「周辺事態船舶検査法」ですら、「警告射撃」と「船体射撃」を認めていません。「正当防衛又は緊急避難に該当する場合」に限られています。
「周辺事態船舶検査法」制定時にも、憲法9条が禁じる「武力による威嚇」にあたるのではないか…という見解がネックになったからです。
しかし、相手は北朝鮮ですから、正当防衛と緊急避難に限定した状態で臨検任務に就いてもらうことは、大きな危険を伴うと案じています。
ちなみに、「海賊対処法案」(民主党の反対で、現時点では成立に至っていませんが、近日中に成立の見込み)では、「警告射撃」等も可能です。
これは国際法が「海賊」=「犯罪行為」としていることから、「国外犯」として警職法を準用できました。
先週までの検討を経て、今なお、苦悩の中にあります。
私自身が実効性の点でベストだと考える内容の法律案に仕上げた場合には、野党との関係では憲法問題の議論が延々と続いて即応できない可能性が高くなります。
憲法への抵触を指摘される可能性がゼロという内容に仕上げた場合には、臨検任務に就いて下さる方々を危険に晒すことになります。
世の中の主な関心事が政局や総選挙時期となっている中で、法整備実現に不可欠な同僚議員や国民の皆様のご理解とご協力が得られるのかどうかという不安も抱えつつの作業でもあります。
それでも、国民の生命と国家の主権を守り抜くことが政治の最大の役割だと確信しておりますことから、衆議院議員として残された任期の中で全力を尽くしてまいります。
先々週は、夫(山本拓衆議院議員)が「自民党総裁選挙の前倒し実施」を求める署名運動を始め、「山本さんに電話をかけたけれど、つかまらないんだよ。一体、どうなっているんだ?」と、同僚議員から私のところに夫の真意を問う電話が殺到したこと。
そして、先週は、日本郵政の西川社長の留任に反対された鳩山総務大臣が辞任されるという出来事があり、マスコミの最大の関心事となっていました。
先週末に選挙区で開催した幾つかの国政報告会に参加して下さった有権者の方々からのご質問も、「麻生総理と鳩山前総務大臣と、どちらが正しいと思いますか?」というものが多くございました。
何れも内閣の命運に関わる大きな出来事だったのでしょうが、私自身は、別のことで頭が一杯でした。
現在の日本が直面している最大の課題は、「北朝鮮の軍事行動によって日本人の生命が危険に晒される事態を、如何に回避するか」ということであって、政府も与党議員も、この事態打開に最優先で取り組むべき時だと思っております。
昨今の北朝鮮の動きは、「過去の威嚇行為とは、何かが違っている」という危機感を覚えています。
日本の科学技術や部品、各国の資金や資源が、北朝鮮の核兵器搭載ミサイル開発に使われないために徹底した措置を採るべき段階に来ています。
北朝鮮を仕向地とする全ての品目の輸出を禁止することは、日本政府が採るべき当然の措置ですが、第三国経由で部品や資源が輸送されることを阻止する行動も急がれます。
先々週と先週は、山本一太参議院議員はじめ同じ危機感を持つ同僚議員と会合を重ね、「北朝鮮の行動と国連安保理の意思が次の段階に進んだ場合」に備えた議員立法作業をしていました。
私自身は副大臣として政府内に居るため、議員立法案を国会に提出する権利はありませんが、条文内容について知恵を出し、他の同僚議員に提出を託すことはできますので、夜間に条約や関連法律を読み込み、新法案作成作業に没頭しました。
今般の国連安保理決議は、私が期待したものよりもはるかに緩やかなものでしたので、この決議に対応した「北朝鮮船舶への臨検」を実施するための法律案は、既に与党で準備が進んでおり、早晩、発表されるはずです。
しかし、北朝鮮の行動がエスカレートして、「国連海洋法条約を制限する内容の国連安保理決議」が出た場合、日本の現行法や今週発表されるであろう法律案では対応できません。
現行法でも、「日本領海内での臨検」は可能です。外為法違反などの容疑で警察権を行使することができます。
ところが、「公海上での臨検」については、国連海洋法条約が「旗国の同意」を要件としています。北朝鮮の臨検同意など期待できず、領海限定の臨検のみでは効果が期待できません。
今後、北朝鮮の行為に応じて累次の国連安保理決議が出るかと思いますが、「国連海洋法条約を制限する強い内容の決議」が出てきた場合に、日本としても「北朝鮮の同意なく公海上で行う臨検」を可能とする法律が必要なのです。
北朝鮮政府や船長の同意なく臨検を行うということになると、武器による攻撃を受ける可能性が高いわけです。
ところが、武器使用の範囲については、現行の「周辺事態船舶検査法」ですら、「警告射撃」と「船体射撃」を認めていません。「正当防衛又は緊急避難に該当する場合」に限られています。
「周辺事態船舶検査法」制定時にも、憲法9条が禁じる「武力による威嚇」にあたるのではないか…という見解がネックになったからです。
しかし、相手は北朝鮮ですから、正当防衛と緊急避難に限定した状態で臨検任務に就いてもらうことは、大きな危険を伴うと案じています。
ちなみに、「海賊対処法案」(民主党の反対で、現時点では成立に至っていませんが、近日中に成立の見込み)では、「警告射撃」等も可能です。
これは国際法が「海賊」=「犯罪行為」としていることから、「国外犯」として警職法を準用できました。
先週までの検討を経て、今なお、苦悩の中にあります。
私自身が実効性の点でベストだと考える内容の法律案に仕上げた場合には、野党との関係では憲法問題の議論が延々と続いて即応できない可能性が高くなります。
憲法への抵触を指摘される可能性がゼロという内容に仕上げた場合には、臨検任務に就いて下さる方々を危険に晒すことになります。
世の中の主な関心事が政局や総選挙時期となっている中で、法整備実現に不可欠な同僚議員や国民の皆様のご理解とご協力が得られるのかどうかという不安も抱えつつの作業でもあります。
それでも、国民の生命と国家の主権を守り抜くことが政治の最大の役割だと確信しておりますことから、衆議院議員として残された任期の中で全力を尽くしてまいります。