異能vation
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3月4日、「異能(Inno)vationプログラム」のスプリングスクール(春の学校)が開催されました。
これは、総務省でも異例のプログラムで、国が「変な人」を認定して支援するというものです。
こう申し上げると、「何故、国がそんなことをやっているのか」という御質問を頂きます。
日本が超高齢化社会を迎え、国際的な競争が厳しくなる中で、持続的な経済成長を図る為には、これまでの延長上にない「破壊的なイノベーションの創出」が重要です。
こうしたイノベーションは、「常識にとらわれない、奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する個人」、すなわち「変な人」から生み出されます。
「異能vation」というプログラムは、この事を信じる方々の熱意で始まり、運営されています。
このイベントの為だけに、わざわざシリコンバレーから日本に来て下さるスーパーバイザーも居られます。
それくらい熱いものなのです。
また、参加者の熱意も凄いものです。
昨年度は10名の枠に対して710件の応募でしたが、今年度は昨年度を大幅に上回る1061件の応募がありました。
競争率は、なんと100倍以上です。
これらの応募をICT分野で世界的に著名なスーパーバイザーの先生方にご評価を頂き、今年度は14名の方が選ばれました。
スーパーバイザーの先生方によると、選考においてはアンビシャスな技術課題を選び、現時点で既に完成に近い技術課題は敢えて残さなかったということです。
今回のスプリングスクールでは、実用化に向けて、応募者とプログラム協力・協賛企業とのマッチングが行なわれました。
また、最終選考で選ばれた方々の取組みの紹介も行なわれました。
いずれも、普通には思いもつかないような、また、コロンブスの卵のような既存の枠にとらわれないもので、非常に興味深い内容でした。
応募された方々は、その全員が破壊的イノベーションへの「挑戦者」です。
「出る杭」となって挑戦していこうという気概が日本にも広がっていることを感じました。
イノベーションについて、現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏は、次のような言葉を残しています。
「1つの優れたアイデアを手にするには、多くの馬鹿げたアイデアが必要である。イノベーションの早い段階では、両者を識別する手立てはない。あらゆるアイデアが、実現性のない、馬鹿げたものに見え、同時に素晴らしいものに見える」
「イノベーションとは姿勢であり、行動である。イノベーションを行う組織では、トップの役割は、生煮えの非現実的なアイデアを具体化することにある。」
日本が破壊的イノベーションを生み出し続ける国家である為には、最初は奇想天外なアイデアであっても、その後の大きなムーブメントの契機となるような技術を育てていくことが必要です。
総務省も、この「異能vation」プログラムを、業務実施機関と協力して推進してまいります。
28年度も、昨年同様5月半ばを目処に公募を行うこととしていますので、多くの皆様からのチャレンジをお待ち申し上げております。