マイナンバーカードの「マイキー」の活用検討へ
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今年1月1日から、マイナンバーの利用が始まりました。
顔写真付きの「マイナンバーカード」の発行を申請された方々に対しましては、順次、市区町村から通知が届き、カードの交付が開始されます。
スマホからも申請できるのが大変好評で、予想以上のお申込みをいただいています。
マイナンバーカードの用途には、「マイナンバー」(個人番号)と「マイキー」(公的個人認証等)があります。
「マイナンバー」(個人番号)の活用は、法律で定められた分野に限定されており、現段階では、「税」「社会保障」「災害」の3分野にしか使えません。
「マイナンバー」はご存知の方が多いと思いますが、「マイキー」って何でしょうか。
マイナンバーカードには、ICチップと公的個人認証の機能も搭載されており、この「マイキー」の方は、国・地方自治体などの公的機関だけでなく、民間事業者でも活用できることになっています。
ICチップの空き領域や公的個人認証の機能を、住民の皆様の希望に応じて地方自治体や民間事業者が活用すれば、マイナンバーカードは、様々なサービスが搭載できる「多目的カード」になるということです。
ICT活用の先進国家として知られるエストニアでは、1枚のカードで3000以上のサービスが利用できるそうです。
現在、様々なカードが普及していますが、図書館カード等の各種行政カードや、ポイントカードやクレジットカード等の各種民間カードなど、サービスごとに別々のカードを必要とするので、「日常生活において多数のカードを携帯することになり、不便だ」とのお声を伺うことが多いのです。
万が一、各種カードが沢山詰まった財布を落としてしまった場合、何のカードが入っていたのかを思い出しながら、各社に電話して停止手続きを取らなければなりません。
マイナンバーカードならば、24時間365日対応のコールセンターへの電話1本で、全ての機能停止が可能です。
たまたまポイントを集めているお店の前を通りかかった時に限って、当該ポイントカードを携帯していなくて悔しい思いをなさった経験をお持ちの方もあるかと思います。
また、地方の商店街などでは、独自にカードを発行して販売力の向上を図ることがコスト的に困難な場合も多く、適用範囲の少ないカードでは、活用されずに死蔵されてしまいがちです。
そこで、マイナンバーカードの「マイキー」(公的個人認証)を、「各種カードのサービスを呼び出す共通の手段」とすることで、国民の皆様に便利さを実感していただきながら、地域経済の活性化対策にも資する方法があるのではないかと考えていました。
現在、多くのカードの其々のIDによって其々に行われている本人確認の機能について、「マイキー」(公的個人認証等)の機能を活用して、其々のサービスに繋げることができるような共通情報基盤を構築する方法を考案しました。
これは、マイナンバー(個人番号)を使わず、マイナンバーカードに搭載されている公的個人認証やICチップの空き領域を活用するものですので、「マイキープラットフォーム」と名付け、昨年末、総務省の幹部職員に、関係部局横断型のチームを作って検討を始めるように指示しました。
1月5日の総務省仕事始め式で、職員に向けて、こうした可能性の具体化について話をしたところ、様々なメディアで取り上げていただく結果となりました。
ただ、不安だというお声や、誤解に基づくご意見もありました。
よって、大事なポイントを、幾つか書かせていただきます。
①個人情報が国に収集されるのではないか?
⇒「マイキー」(公的個人認証サービス)は、認証の仕組みを自治体や民間事業者に活用してもらうものであり、認証サービス通じて個人情報が国に収集されるものではありません。
⇒例えば各種ポイントカードのポイントを国が統合する、あるいは、国がポイントを使ったビジネスをするわけではなく、あくまでも各種サービスを呼び出せる情報インフラの整備をするということです。
②マイナンバーカードを使ってポイントを活用すると、顔写真付きカードを店員に提示することとなるのではないか?
⇒ポイント活用のような場合には、店頭に設置されたカードリーダーに本人がカードをかざすことで足り、店員にカードを提示する必要はありません。
⇒非接触のカードリーダーを使う場合は、マイナンバーを保護するカードケースを付けたままカードをかざすことが可能です。
③マイナンバーカードに商取引等の個人情報まで集約され、そのカードを持ち歩いて何度も取り出すことになると、不安ではないか?
⇒「マイナンバーカードには情報を残さないこと」、「マイナンバー(個人番号)を使わないこと」を前提としており、商取引データなどが集まることのないよう、マイナンバーカードの安全性を確保した上での検討となります。
⇒仮にマイナンバーカードを紛失するようなことがあった場合にも、十分なセキュリティを確保することは当然です。
⇒「マイキー」の利用主体についても、「電子証明書」については①技術基準への適合②総務大臣への申請・認定、「ICチップの空き領域」については①技術基準への適合、②総務大臣への申請・告示が必要です。
④「マイキープラットフォーム」の構想は、膨大なシステム構築が必要になるのではないか?
⇒「マイキープラットフォーム」の考え方は、「住民の方が希望すれば、その方が保有している多数のIDを登録してマイナンバーカードの機能で繋げるようにできないか」というものであり、比較的シンプルなシステムで対応できると思います。
⇒其々のサービスに関係するデータを保有するシステムとしては、現在も稼働している図書館やポイントサービス会社などのシステムをそのまま活用することになりますので、「マイキープラットフォーム」が商取引データ等を保有することにはなりません。この点からも、「マイキープラットフォーム」のシステムは、シンプルなもので可能だと考えます。
⑤これまでポイントを付与して顧客を囲い込んできた各事業者の努力を阻害するものではないか?
⇒今回の検討は、マイナンバーカードの「マイキー」の機能を使って、各事業者のサービスに繋げることができる共通の方法はないかというものであって、各種ポイントを集約するものではありません(あくまでもポイントの相互融通などのサービスの在り方は、各事業者の経営判断によるものです)。
⇒今後、磁気カードからICカードへの変更に伴うコスト負担に躊躇しておられる事業者もあり、事業者側にあってもICカードの投資が必要なくなるなどの利点も想定されます。
⑥今後の検討スケジュールは?
⇒今回の検討には、技術的課題も含めた具体的なビジネスモデル案の構築に加え、幅広い関係者からの意見集約が必要ですから、スピード感をもって進めながら、今年の夏を目途に検討結果を得られるよう指示しました。
⇒その結果、現実性のある検討結果が得られれば、「骨太の方針」や「成長戦略」の議論を経て、来春以降、具体化に向けた取組みがなし得るものと期待しています。
自治体、商店街、企業、銀行など、暮らしに関する様々なサービスが1枚のカードによって繋がり、どこに住んでいても住民の皆様が希望するサービスを自由に使えるようになれば、身近なところから経済を活性化させる原動力になると思います。
また、マイナンバーカードを活用して各種サービスを呼び出す手段を共通化することによって、多くのサービス事業者のマッチングの場を構築することになり、様々な出会いが生じ、思わぬサービスイノベーションが発生していく、そういう経済の拡大につながる政策にもなり得るのではないかと考えています。
顔写真付きの「マイナンバーカード」の発行を申請された方々に対しましては、順次、市区町村から通知が届き、カードの交付が開始されます。
スマホからも申請できるのが大変好評で、予想以上のお申込みをいただいています。
マイナンバーカードの用途には、「マイナンバー」(個人番号)と「マイキー」(公的個人認証等)があります。
「マイナンバー」(個人番号)の活用は、法律で定められた分野に限定されており、現段階では、「税」「社会保障」「災害」の3分野にしか使えません。
「マイナンバー」はご存知の方が多いと思いますが、「マイキー」って何でしょうか。
マイナンバーカードには、ICチップと公的個人認証の機能も搭載されており、この「マイキー」の方は、国・地方自治体などの公的機関だけでなく、民間事業者でも活用できることになっています。
ICチップの空き領域や公的個人認証の機能を、住民の皆様の希望に応じて地方自治体や民間事業者が活用すれば、マイナンバーカードは、様々なサービスが搭載できる「多目的カード」になるということです。
ICT活用の先進国家として知られるエストニアでは、1枚のカードで3000以上のサービスが利用できるそうです。
現在、様々なカードが普及していますが、図書館カード等の各種行政カードや、ポイントカードやクレジットカード等の各種民間カードなど、サービスごとに別々のカードを必要とするので、「日常生活において多数のカードを携帯することになり、不便だ」とのお声を伺うことが多いのです。
万が一、各種カードが沢山詰まった財布を落としてしまった場合、何のカードが入っていたのかを思い出しながら、各社に電話して停止手続きを取らなければなりません。
マイナンバーカードならば、24時間365日対応のコールセンターへの電話1本で、全ての機能停止が可能です。
たまたまポイントを集めているお店の前を通りかかった時に限って、当該ポイントカードを携帯していなくて悔しい思いをなさった経験をお持ちの方もあるかと思います。
また、地方の商店街などでは、独自にカードを発行して販売力の向上を図ることがコスト的に困難な場合も多く、適用範囲の少ないカードでは、活用されずに死蔵されてしまいがちです。
そこで、マイナンバーカードの「マイキー」(公的個人認証)を、「各種カードのサービスを呼び出す共通の手段」とすることで、国民の皆様に便利さを実感していただきながら、地域経済の活性化対策にも資する方法があるのではないかと考えていました。
現在、多くのカードの其々のIDによって其々に行われている本人確認の機能について、「マイキー」(公的個人認証等)の機能を活用して、其々のサービスに繋げることができるような共通情報基盤を構築する方法を考案しました。
これは、マイナンバー(個人番号)を使わず、マイナンバーカードに搭載されている公的個人認証やICチップの空き領域を活用するものですので、「マイキープラットフォーム」と名付け、昨年末、総務省の幹部職員に、関係部局横断型のチームを作って検討を始めるように指示しました。
1月5日の総務省仕事始め式で、職員に向けて、こうした可能性の具体化について話をしたところ、様々なメディアで取り上げていただく結果となりました。
ただ、不安だというお声や、誤解に基づくご意見もありました。
よって、大事なポイントを、幾つか書かせていただきます。
①個人情報が国に収集されるのではないか?
⇒「マイキー」(公的個人認証サービス)は、認証の仕組みを自治体や民間事業者に活用してもらうものであり、認証サービス通じて個人情報が国に収集されるものではありません。
⇒例えば各種ポイントカードのポイントを国が統合する、あるいは、国がポイントを使ったビジネスをするわけではなく、あくまでも各種サービスを呼び出せる情報インフラの整備をするということです。
②マイナンバーカードを使ってポイントを活用すると、顔写真付きカードを店員に提示することとなるのではないか?
⇒ポイント活用のような場合には、店頭に設置されたカードリーダーに本人がカードをかざすことで足り、店員にカードを提示する必要はありません。
⇒非接触のカードリーダーを使う場合は、マイナンバーを保護するカードケースを付けたままカードをかざすことが可能です。
③マイナンバーカードに商取引等の個人情報まで集約され、そのカードを持ち歩いて何度も取り出すことになると、不安ではないか?
⇒「マイナンバーカードには情報を残さないこと」、「マイナンバー(個人番号)を使わないこと」を前提としており、商取引データなどが集まることのないよう、マイナンバーカードの安全性を確保した上での検討となります。
⇒仮にマイナンバーカードを紛失するようなことがあった場合にも、十分なセキュリティを確保することは当然です。
⇒「マイキー」の利用主体についても、「電子証明書」については①技術基準への適合②総務大臣への申請・認定、「ICチップの空き領域」については①技術基準への適合、②総務大臣への申請・告示が必要です。
④「マイキープラットフォーム」の構想は、膨大なシステム構築が必要になるのではないか?
⇒「マイキープラットフォーム」の考え方は、「住民の方が希望すれば、その方が保有している多数のIDを登録してマイナンバーカードの機能で繋げるようにできないか」というものであり、比較的シンプルなシステムで対応できると思います。
⇒其々のサービスに関係するデータを保有するシステムとしては、現在も稼働している図書館やポイントサービス会社などのシステムをそのまま活用することになりますので、「マイキープラットフォーム」が商取引データ等を保有することにはなりません。この点からも、「マイキープラットフォーム」のシステムは、シンプルなもので可能だと考えます。
⑤これまでポイントを付与して顧客を囲い込んできた各事業者の努力を阻害するものではないか?
⇒今回の検討は、マイナンバーカードの「マイキー」の機能を使って、各事業者のサービスに繋げることができる共通の方法はないかというものであって、各種ポイントを集約するものではありません(あくまでもポイントの相互融通などのサービスの在り方は、各事業者の経営判断によるものです)。
⇒今後、磁気カードからICカードへの変更に伴うコスト負担に躊躇しておられる事業者もあり、事業者側にあってもICカードの投資が必要なくなるなどの利点も想定されます。
⑥今後の検討スケジュールは?
⇒今回の検討には、技術的課題も含めた具体的なビジネスモデル案の構築に加え、幅広い関係者からの意見集約が必要ですから、スピード感をもって進めながら、今年の夏を目途に検討結果を得られるよう指示しました。
⇒その結果、現実性のある検討結果が得られれば、「骨太の方針」や「成長戦略」の議論を経て、来春以降、具体化に向けた取組みがなし得るものと期待しています。
自治体、商店街、企業、銀行など、暮らしに関する様々なサービスが1枚のカードによって繋がり、どこに住んでいても住民の皆様が希望するサービスを自由に使えるようになれば、身近なところから経済を活性化させる原動力になると思います。
また、マイナンバーカードを活用して各種サービスを呼び出す手段を共通化することによって、多くのサービス事業者のマッチングの場を構築することになり、様々な出会いが生じ、思わぬサービスイノベーションが発生していく、そういう経済の拡大につながる政策にもなり得るのではないかと考えています。