教育イノベーション
更新日:
新学期が始まってから少し経ちますが、この度、総務省の取組みの1つである「ICTドリームスクール懇談会」の報告書がまとまりましたので、教育について、最近思うところを書きます。
地方創生の取組みにより、魅力的な仕事が増えつつあり、これから地方に移住してみようと考えておられる方は増えています。
しかし、御家族と一緒に移住を検討されるにあたって、「地方での教育環境はどうなのか」というお声を多く伺います。
また、受け入れ自治体側でも、「教育環境の維持・強化」が大きな課題となっています。
実は最近、離島・中山間地域において、「学級増」が起こっている地域が出てきました。背景には、「教育イノベーション」があります。
例えば、隠岐の島の海士町や島根県の過疎地域では、ネットワークを介した遠隔教育などICTを活用することによって、生徒の特性や進捗に応じた学びや、多様な能力を持つ生徒が協働して課題に取り組むアクティブ・ラーニングを実現しています。
これらは「目新しいことではない」と思われるかもしれませんが、小規模校であるという不利な条件を有利な条件に変え、学級増という成果につながるほどの、質の高い教育を実現しているのです。
また近年、無償で質の高い教育を提供するMOOCs(Massive Open Online Courses:大規模オープンオンライン講座)や、民間事業者による教育ICTサービスが普及しつつあり、これらの新たな動向を踏まえて、教育におけるICT利活用を考えていくべき時期にきています。
海外に目を向けますと、例えばフィンランドでは、小中学校では3.5人に1台、高校では2.1人に1台のPCが整備されており、加えて、BYOD(Bring your own device:個人所有端末の使用)も普及しつつあります。
プログラミング教育も盛んです。
さらに、このような教育ソリューションについて、官民連携による輸出プログラムも戦略的に推進されています。
これまでに、サウジアラビアや香港などへの輸出実績もあるということです。
我が国の教育産業は約25兆円ということですが、欧米諸国と比べますと、GDPに占める比率、1人当たり教育費、過去10年の伸び、のいずれでも低いレベルです。
チャンスは、どこにあるのでしょうか。
これまでの「教室内」の教育ではなく、先に触れたような、色々な教室を繋げてのアクティブ・ラーニングや、「いつでも、どこでも」というICTの特性を活かした生涯学習など、様々なチャンスがありそうです。
例えば、1人当たり教育費がドイツ並みになれば、10兆円の市場が生まれます。
総務省では、教育を取り巻く課題と新たな動向を踏まえて「ICTドリームスクール懇談会」を開催してきましたが、先日とりまとめた報告書に基づき、今後は以下の取組みを推進していくこととしました。
(1)学習・教育クラウド・プラットフォームの整備・全国展開
(2)ICTを活用した多様な学習・教育実践モデルの展開
(3)学習・教育分野のICT化のさらなる推進とビジネス拡大
その中で、既に、教育現場における実証としては、福島県新地町ではクラウド上での教材の共有、東京都荒川区では学習履歴の分析による指導改善、佐賀県ではBYODの活用に向けた取組みが行われています。
このように、離島や中山間地域で起こりつつある「教育イノベーション」を全国規模のものとし、地方への定住を促進していくとともに、将来には、日本の教育ICTソリューションを海外にもビジネス展開していく為に、総務省としても推進体制を一層強化してまいりたいと考えています。
地方創生の取組みにより、魅力的な仕事が増えつつあり、これから地方に移住してみようと考えておられる方は増えています。
しかし、御家族と一緒に移住を検討されるにあたって、「地方での教育環境はどうなのか」というお声を多く伺います。
また、受け入れ自治体側でも、「教育環境の維持・強化」が大きな課題となっています。
実は最近、離島・中山間地域において、「学級増」が起こっている地域が出てきました。背景には、「教育イノベーション」があります。
例えば、隠岐の島の海士町や島根県の過疎地域では、ネットワークを介した遠隔教育などICTを活用することによって、生徒の特性や進捗に応じた学びや、多様な能力を持つ生徒が協働して課題に取り組むアクティブ・ラーニングを実現しています。
これらは「目新しいことではない」と思われるかもしれませんが、小規模校であるという不利な条件を有利な条件に変え、学級増という成果につながるほどの、質の高い教育を実現しているのです。
また近年、無償で質の高い教育を提供するMOOCs(Massive Open Online Courses:大規模オープンオンライン講座)や、民間事業者による教育ICTサービスが普及しつつあり、これらの新たな動向を踏まえて、教育におけるICT利活用を考えていくべき時期にきています。
海外に目を向けますと、例えばフィンランドでは、小中学校では3.5人に1台、高校では2.1人に1台のPCが整備されており、加えて、BYOD(Bring your own device:個人所有端末の使用)も普及しつつあります。
プログラミング教育も盛んです。
さらに、このような教育ソリューションについて、官民連携による輸出プログラムも戦略的に推進されています。
これまでに、サウジアラビアや香港などへの輸出実績もあるということです。
我が国の教育産業は約25兆円ということですが、欧米諸国と比べますと、GDPに占める比率、1人当たり教育費、過去10年の伸び、のいずれでも低いレベルです。
チャンスは、どこにあるのでしょうか。
これまでの「教室内」の教育ではなく、先に触れたような、色々な教室を繋げてのアクティブ・ラーニングや、「いつでも、どこでも」というICTの特性を活かした生涯学習など、様々なチャンスがありそうです。
例えば、1人当たり教育費がドイツ並みになれば、10兆円の市場が生まれます。
総務省では、教育を取り巻く課題と新たな動向を踏まえて「ICTドリームスクール懇談会」を開催してきましたが、先日とりまとめた報告書に基づき、今後は以下の取組みを推進していくこととしました。
(1)学習・教育クラウド・プラットフォームの整備・全国展開
(2)ICTを活用した多様な学習・教育実践モデルの展開
(3)学習・教育分野のICT化のさらなる推進とビジネス拡大
その中で、既に、教育現場における実証としては、福島県新地町ではクラウド上での教材の共有、東京都荒川区では学習履歴の分析による指導改善、佐賀県ではBYODの活用に向けた取組みが行われています。
このように、離島や中山間地域で起こりつつある「教育イノベーション」を全国規模のものとし、地方への定住を促進していくとともに、将来には、日本の教育ICTソリューションを海外にもビジネス展開していく為に、総務省としても推進体制を一層強化してまいりたいと考えています。