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予算委員会質疑報告③:震災復興対策について

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≪平成25年3月7日 衆議院予算委員会質疑報告③:東日本大震災復興について≫



【高市委員】


 ここで、東日本大震災復興についてお伺いをしたいのですけれども、4日後の3月11日、東日本大震災発生から2年を迎えます。
 改めまして、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げまして、また、御遺族の皆様にも、そして被災地で困難な生活をされている方々にもお見舞いを申し上げたいと思います。


 自民党の『政権公約2012』でございますけれども、この中の最初に書いたのは、「まず、復興。ふるさとを、取り戻す。」という、私たちの強い決意でございました。


 自民党が政権に復帰してからまだ2カ月余りでございますけれども、まずは復興予算の増額、そしてその財源となりますフレームの拡大、それから復興関連税制の拡充、そして復興庁の司令塔機能の強化、こういったことに矢継ぎ早に対応してまいりました。


 しかしながら、被災地ではまだまだ、被災者の生活再建ですとか復興まちづくりを阻む多くの課題が存在します。


 そこで、自民党東日本大震災復興加速化本部では、大島理森本部長を中心に、緊急提言を取りまとめ、昨日、総理に対して、また復興大臣に対して申し入れを行ったところでございます。
 この中では、住宅宅地供給の見通しを目標として明示する工程表の早期の作成ですとか、それからまた、所有者が不明になってしまった土地もたくさんございます、こういった土地の権利調整を迅速化するための法整備の必要性なども盛り込まれております。


 この点については、今週冒頭からの衆議院本会議で前向きなお取り組みの答弁をいただいておりますので割愛をいたしますが、復興大臣、まず、きのう差し上げました与党の緊急提言、最後までお読みをいただいたかどうか、そして、この内容、全面的に御賛同いただける内容であったかどうか、御答弁をお願いいたします。



【根本国務大臣】


 きのういただいた復興加速化のための緊急提言、じっくり読ませていただきました。
 大変幅広い、そして、現状と課題を分析されて、しかも、現地に何度も足を運ばれて、要は、魂のこもった提言だと私は思います。
 この提言に沿って、私もしっかり取り組んでいきたいと思います。


 特に、この提言で、「震災3年目の冬を希望持って迎えるために」、この副題、私もある種の感動を覚えます。この緊急提言の中で、「生活の再建への希望持って次の新年を迎えて頂く、われわれの復興に対する決意を示す象徴的な目標として、この達成をここに誓う。」私は、このとおりだと思います。


 ただいま高市委員からお話がありましたように、我々、新政権になって、精力的に、司令塔機能の強化あるいは財源フレームの見直し、復興加速策、取り組んでまいりました。


 今、全面的にというお話がありましたので、高市委員の御指摘になった事項について多少触れさせていただきますが、この提言もいただきましたが、具体的な対応策、2つ3つお話をしたいと思います。


 今お話のあった住まいの再建の工程表、これは、ぜひ見える化をしたいと思います。市町村別に、具体的な地区でどれだけの住宅が建っているか、この工程目標、これをしっかりとお示ししたいと思います。


 そして、土地の権利関係の御指摘もありましたが、いかに全体のプロジェクトをスピードアップするか、用地の問題あるいは土地の権利関係の問題、埋蔵文化財の問題、設計施工、この一連の事業をいかにして短縮するか、この具体策もパッケージでお示しをしたいと思っておりますし、復興交付金の柔軟化や、あるいは福島の早期帰還、定住のためのプラン、これも取りまとめて、本日の復興推進会議でお示しをし、決定をしたいと思います。


 とにかく、政府・与党一丸となって復興加速に取り組んでいきたいと思います。



【高市委員】


 ぜひ、よろしくお願いをいたします。


 この緊急提言で指摘を申し上げた事項の1つに、被災地のマンパワーの不足という課題がございます。特に市町村の技術系職員の不足。
 まちづくりをするにしても、まず計画を立て、そして用地の買収をしたり換地をしたり、そしてまた補償をしていく、そしてまちづくりを進めていく、工事を進めていく、マネジメントも含めて、この一連の仕事にしっかりと取り組める人材の不足でございます。


 こういったことから、独立行政法人都市再生機構、いわゆるURでございますが、震災発生直後の23年4月から、被災地にまちづくりのノウハウを持った職員を多数派遣してくださっております。
 ことしの2月1日時点で、東北の10事務所に221名の支援要員を配置しておられます。
 また、平成25年度は12事務所に300名の派遣が必要となっております。
 そしてまた、平成26年度には、恐らく復興まちづくりがピークを迎える状態でございますので、まださらなる人員の派遣が必要になるんじゃないかと思っております。


 ところが、行革の取り組みの中で、このURも人員の大幅削減を続けておられます。
 そしてまた、民主党政権だった24年の1月20日に、特殊会社化を検討すること、これが閣議決定されております。


 近年は、どうしても、公的な機能を果たしてきた組織について、とにかく人を減らすとか民間組織にするということが何となく世論に受ける、こういった空気もありまして、そういった空気に政治が支配されている部分もあるんです。
 しかしながら、被災地におけるマンパワー確保のためには、あらゆる手を尽くすこと、これが肝要だと考えております。


 行革大臣にお伺いをしたいのですが、このURの性急な特殊会社化そして大規模な人員削減というのは復興に水を差すことにもなりかねないと感じるんですけれども、安倍内閣においてはどのような検討をされているのか、お答えください。



【稲田国務大臣】


 ただいま委員御指摘のように、URが被災地に職員を派遣し、まちづくりの復興の支援をしていただいていることは承知いたしております。
 一方で、URは、多額の有利子債務の存在、脆弱な財務状況など、やはり改革は必要だと思っております。


 今、委員御指摘の昨年1月20日の閣議決定は、安倍内閣で凍結をいたしております。これは、独立法人の改革を凍結するということではなくて、独立行政法人の制度本来の趣旨に立ち戻って、今までの改革の検証、総括、改革の集大成ということで取り組んでおります。


 御指摘のように、被災地の支援、復興に支障がないように取り組むことは当然でございます。
 一方で、独立行政法人改革の全体状況を踏まえながら、国交省と密接に連携をとりながら、URの具体的な改革の方向性も取り組んでまいりたいと思っております。



【高市委員】


  この復興を進めるということは、政治の大きな責任でございます。そしてまた、首都圏、関西圏も含めまして、また四国地方、九州地方からもさまざまなお声をいただいておりますけれども、大震災発生のリスクを強く感じておられる中で、全ての国民の皆様にとっても人ごとではないことでございます。


 この3月6日に提出をいたしました緊急提言でございますけれども、これらの内容について、実施状況や効果、それから復興関連事業の進捗状況について、定期的に政府から与党に対して御報告をいただきたいのです。
 これは、与党だけということではなくて、ぜひとも全ての国会議員に対して報告の機会をいただければと思っております。
 その時点ごとに、新たに解決する課題、解決しなきゃいけない課題というのを把握して、私たち自民党内でも新たな課題への対応方法というものをしっかりと検討してまいります。


 復興大臣には、できましたら、与党に対しては、まずおおむね3カ月ごとに御報告をいただきたいんですけれども、ぜひともよろしくお願いいたします。可能でしょうか。



【根本国務大臣】


 私も、復興を着実に進めて加速していくためには、常に政策の総点検が必要だと思います。私も、その意味で、就任以来まず取り組んだのは、施策の総点検そして施策の再構築であります。


 高市委員御指摘のように、新たな課題、問題もどんどん出てまいりますから、定期的に御報告をして、政府一丸となって復興加速に取り組みたいと思います。




☆この後の質疑・答弁は、次回にご紹介します。
 

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