「民主党に騙された」の声が続出②:子ども手当で手取り減
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昨日の続きですが、先週末の地元活動で伺った「民主党に騙された」というお声の中には、「子ども手当」に関するものもありました。
現在の子ども手当制度については、今年3月末に法的に期限切れとなります。野田内閣は、今国会に新制度の法案を提出しました。
「子どものための手当」なるものを導入する内容ですが、殆どの年収層で自民党政権時代よりも手取り額が減ってしまうことが明らかになりました。
下記は、「今年6月以降の月額の手取り額」につき、厚生労働省が試算した資料で分かったことです。
「3歳未満」「3歳~小学生」のお子様がいらっしゃるご家庭で、自民党政権時代の制度と比較して手取りが増えるのは、年収300万円の層だけです。667円の増額となります。
残りの年収層のご家庭では、自民党政権時代の制度と比較して手取りが減ってしまいます。
≪0歳~小学校6年生:自民党政権時代と比較した手取り額≫
①年収 500万円 ⇒ 375円減額
②年収 800万円 ⇒ 4083円の減額
③年収1000万円 ⇒ 4083円の減額
④年収1500万円 ⇒ 8200円の減額
他方、「中学生」のお子様がいらっしゃるご家庭では、増額となる年収層が多くなっていますが、年収1000万円では4087円の減額、年収1500万円では8200円の減額となります。
自民党政権時代には、「児童手当」と「年少扶養控除」を組み合わせた制度設計でした。
当時の児童手当の月額は、3歳未満では月額1万円、3歳~小学生(第1子・2子)では5000円、3歳~小学生(第3子)では1万円でした。
更に、15歳以下の子供さんがおられるご家庭には、「年少扶養控除」で課税対象所得を差し引いていました。
平成21年衆議院選挙の際の民主党マニフェストには、「子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)を中学卒業まで支給します」と記載してありました。
民主党は「控除から給付へ」と訴え、政権交代後には年少扶養控除が廃止されることが決まりました。
選挙時に「無駄を省けば16兆8000億円が出てくる」と主張していたものの、その財源が無かったことが分かり、民主党政権の迷走が始まります。
平成22年4月分からの子ども手当は、公約の半額の1万3000円でスタート。
平成23年10月分からは、3歳未満が1万5000円、3歳~小学生と中学生は1万円に変更。
平成24年6月分からは、年収960万円以上のご家庭は月5000円に減額するとのこと。
そして、既に平成23年1月から「所得税の年少扶養控除」は廃止されています。
平成24年6月からは「住民税の年少扶養控除」も廃止するものですから、各ご家庭の税負担が大幅に増え、前記したように自民党政権時代よりも手取りが減るのです。
自民党政権時代の控除制度は、働いて税金を納めるご家庭が対象であり、扶養すべき人数に応じて負担が減る仕組みですから、ある意味では公平だったと思います。
このまま民主党政権が続くと、「弱者のフリをして、沢山もらおう」「努力して年収が増えると損をする」という風潮が広まり、日本の活力は失われると感じます。