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「民主党に騙された」の声が続出①:国民年金保険料の大幅アップ

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 毎週末の選挙区活動の際には、多くの方々にお目にかかり、自民党へのお叱りも含めて率直なご意見を伺っていますが、先週末は、「民主党に騙された」「嘘つき内閣」との怒りの声が噴出していました。


 先週は、僅か2日間だけですが、NHKによる衆議院予算委員会の中継があったからでしょう。
 実は、テレビ中継が入らない日の予算委員会やその他の各委員会の方が、パフォーマンス抜きに詳細で堅実な議論が展開されていることが多いので、是非ともネットなどでご覧下さいね。

 特に、小宮山洋子厚生労働大臣の答弁に驚かれた方が多かったようです。


 民主党による年金改革なるもの(改悪としか思えませんが…)が実現した場合、現在は月額1万5020円である国民年金保険料が、月額5万円になる見込みだという話です。

 小宮山大臣は「将来、受け取れる額も増えるので、問題ない」といった認識で答弁しておられましたが、夫婦で月額10万円もの年金保険料を払う上に、最低保障年金(月額7万円)なるものの財源として消費税率も更に跳ね上がるのならば、「公的年金は要らない」と考える人も多いでしょう。

 私自身も、愕然としながら小宮山大臣の答弁を伺っていました。


 民主党が政権交代を果たした平成21年衆議院選挙のマニフェストには、
「年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します」
「国民全員が受け取れる年金制度を確立」
と記載されていました。


 選挙中に、自民党の候補者たちが「民主党の年金制度改革案に対する考え方」を聞かれた場合に備えて用意した「反論メモ」が手元に残っていました。
 以下、掲載します。



≪平成21年衆議院選挙時:自民党からの反論≫


 民主党の年金制度改革案の最大の特徴は、国民年金・厚生年金・共済年金の3つの年金制度を「例外なく一元化」することにある。
 その上で、所得制限付きの基礎部分(最低保障)と比例報酬部分で構成される新たな年金制度を構築し、全国民を加入させる。


 政権交代から4年後には新しい年金制度を完全実施させる方針というが、国会審議や準備期間を考えると制度設計は1年以内に行わなければならないだろう。
 しかし、「一元化」は、とても短期間に結論を出せるような性質のものではない。


 たとえば、国民年金は基礎年金分だけの保険料となっているが、民主党案になれば、さらに、所得比例部分の保険料を上乗せしなくてはならない。
 厚生年金・共済年金の保険料の半分を占める事業主負担を誰が負担するのかも大きな問題だ。


 民主党が主張する「国民年金・厚生年金・共済年金を例外なく一元化」という案を実施するためには、
①国民年金の保険料の大幅な引き上げ
②厚生年金・共済年金加入者の支給額の大幅減額
③巨額の税金投入
の3つしか方法はない。


 「一元化」により年金財政が安定するかのような主張をする人がいるが、それは間違っている。
 一元化それ自体は、年金財政にとっては何のプラスにもならない。間取りをどう変えても、建物の強度を上げることにはならないのと同じだ。
 年金財政の改善には、間取りではなく、年金支給額や保険料、国庫負担といった収支構造の強化が必要となる。

 しかし、この点について民主党案は極めてあいまいだ。
 民主党の岡田克也幹事長は、民主党代表時代に、同党案の実現には「消費税の3%増税が必要だ」としていた。
 平成17年に代表に就任した前原誠司氏も、財源論を重視しようと努力していた。


 ところが、平成18年に代表に就任した小沢一郎氏は、「行政の無駄を省くことで捻出する」と方針転換。
 平成21年に就任した鳩山由紀夫代表も、小沢氏と同様の立場だ。


 民主党が13兆円余と試算している基礎年金部分に全額消費税を充てるとしても、平成21年度の消費税収は10兆円余りしかない(地方消費税1%を除く)。
 このうち地方交付税への配分を除くと7兆円程度。残り6兆円を「行政の無駄」を省くだけで捻出できるのか。
 また、現在、消費税収を投入している医療や介護の財源はどこから捻出するのかなどの疑問が生ずる。
 しかし、民主党はこうした問題には正面から答えず、「役人の無駄遣い」批判を繰り返すばかりだ。


 年金政策のサイクルは人の一生と同じだ。いったん間違った改革が行われると、なかなか元には戻らない。
 それにかかる費用も膨大で、それこそ「無駄」の極致というべきだ。
 失敗のツケを最も受けるのは、民主党案に期待した現在の有権者ではなく、将来の年金加入者であることを忘れてはならない。



《平成21年選挙直前の通常国会に於ける自公政権の取組み》


 基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる国民年金法改正案は、6月19日の衆院本会議で自民党などの3分の2以上の多数で再議決され、参院送付から64日目にして、ようやく成立した。
 これにより、年金財政の安定度が大きく高まることになる。
 民主党など野党の抵抗で、成立に多くの時間を要したが、政府・与党一体となって成し遂げた平成21年通常国会の大きな成果だ。


 国庫負担割合の引き上げに要する財源は2・3兆円。
 同法案は、平成22年度分まで財政投融資特別会計からの繰り入れで確保することとし、それ以降は税制の抜本改革によると定めた。


 同法案は、6月15日に「送付後60日」を迎えていたが、民主党など野党が審議引き延ばし戦術を展開したため、参院採決は6月19日まで持ち越された。
 参院で費やされた審議時間は約35時間。衆院に比べ、委員1人あたり2・5倍以上の審議を行った計算になる。
 参院本会議で討論に立った衛藤晟一議員は、「憲法59条の考え方は、『60日という間に院としての判断を示すべき』との考えに立っている。この憲法の精神は、よほどのことがない限り逸脱できない基準だ」と、民主党などの対応を批判した。


以上
 

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