冨山和彦氏はじめ皆様に感謝~政策ワークショップを終えて
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来週24日の通常国会召集を目前に、明日(22日)は自民党大会が開催されます。
今日は、プレ・イベントとして、党本部で「自民党政策ワークショップ」が開催され、 私は、第3部「日本経済再構築への道」のコーディネータ役を務めました。
パネリストは、株式会社 経営共創基盤 代表取締役CEOの冨山和彦氏(元産業再生機構COO)と、自民党経済財政金融政策調査会長の甘利明氏(衆議院議員)でした。
冨山和彦氏にお目にかかるのは初めてでしたが、実は大ファンでしたので(Voiceなどの連載原稿も収集していました)、かなり緊張…。自分でも何を言っているのか分からなくなる程で、拙い進行になってしまいましたことをお詫び申し上げます。
実質50分間程度の議論でしたので深掘りはできませんでしたが、両パネリストからは、「日本の産業立地優位性を高める方法」、「研究開発投資の収益力を上げる方法」、「サービス産業の生産性を上げる方法」、「円高のメリットを活かす方法」などについて、分かり易く語っていただけました。
以前、冨山氏が連載原稿の中で、「一身の独立なくして一国の独立なし」という福澤諭吉先生の言葉を引用し、「自助・共助なくしては、本当に気の毒な人々を公助によって支える余力もなくなる」という主張を展開しておられました。
経済政策や社会政策を構築する上で基本にするべき考え方だと思います。
私 自身も、あらゆる機会に、「『国への過度の依存心』を煽るバラマキ政策を排し、『自立と勤勉の倫理』を取り戻そう!」と訴えかけています。
弱者のフリをする人まで優遇し、「稼ぐ人と貰う人の2分化」を進めていってしまっては、「稼ぐ人のモチベーション喪失」による税収減と福祉コストの増大が更なる財政悪化を招き、将来不安が深刻化します。
これでは、ナショナル・ミニマム(国家が国民に保障する最低限の生活水準)に必要な原資も細っていく一方です。
人材育成や税制の分野では、「ジェラシーに立脚した政策」が国力を弱体化させていることを痛感します。
現在の日本は、未曽有の円高、電力供給の不安定性、電気料金の値上げ、高い法人税や人件費、弱い内需など、産業立地の優位性には欠けるとされています。
しかし、冨山氏は、「よく教育された人材、長期的に働いてくれる人材の存在は、各国の企業がマザー工場を設置するに上では魅力になる」という指摘をして下さいました。
甘利議員も、標準化戦略の強化やIT化の促進によって、製造業では高い技術力を高収益に繋げることができ、雇用の8割を担うサービス産業でも生産性向上が可能になること等を提言して下さいました。
日本にはまだまだ大きな魅力と可能性が有ります。高度な技術力、教育水準の高い人材、清潔な社会、温暖な気候や美しい国土。
一方で、冨山氏が指摘しておられるように、かつての日本の強みが劣化していることにも留意しなければなりません。
例示しておられたのが、信頼度の高い公共サービス(交通・電力・水道・物流)、治安の良さ、食品安全、行政や法運用の安定性と透明性。
特に民主党政権が「法的根拠に基づく指揮命令」ではなく、「国民感情に左右された思いつき」で民間企業に介入しては活力を削ぎ、法運用の安定性を損ねてしまっていることは、産業空洞化の原因になっていると感じます。
自民党経済財政金融政策調査会では、引き続き活発な議論を行いながら、リスク耐性の高い資金を提供できる直接金融市場の充実、研究開発減税や投資減税、イノベーションを阻む規制の見直し、国際的に通用する人材の育成等々、強い日本経済の復活に向けて必要な政策の構築を進めていきたいと思います。
この度の政策ワークショップ開催にご協力下さいましたパネリストの皆様、寒い中を党本部までお出かけ下さいました参加者の皆様、ネット中継でご覧いただきました皆様、本当に有難うございました。