「外国人参政権への疑問」
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9月21日から12月1日までの会期で召集された臨時国会は、与野党の対立法案を山ほど抱えてエライこっちゃのスタートとなりました。
政府提出法案が20本もある上、議員立法でも「公職選挙法の一部改正法案」「斡旋利得罪法案」「少年法の一部開催法案」「外国人地方参政権法案」など、ひと悶着ありそうなヤツがてんこ盛り。おまけに11月10日頃からは補正予算の審議にも入らねばならず、ひどくタイトなスケジュールになりそう。
そんなわけで緊張して迎えた召集日の朝8時、自民党本部では「外国人参政権の慎重な取扱いを要求する国会議員の会設立総会」なるものが開催されました。
これは永住外国人に地方参政権を与える法案に反対の立場を取る議員の会で、設立まで僅か3日間の呼び掛けで自民党内で87名もの賛同を集め、まだまだ増えそうな勢いです。
ちなみに会長は奥野誠亮代議士、私も副会長に就任致しました。
「地方議員の選挙権なら外国人にあげてもいいじゃない」とか「在日外国人だって税金を納めているのだから選挙権を与えるべき」といった主張をされる識者もおられますが、どうしても納得できないのです。
地方政治は教育や警察行政など国の根幹に関わる分野の権限を持つ上、今や国家の安全保障を左右する存在となりました。
昨年「周辺事態法」が成立しました。日本の平和を脅かす事態が日本周辺で発生したとします。この法律では、国防の為に自衛隊が地方公共団体管理の空港や港湾や病院等を使おうとした場合、知事に協力を要請しなくてはならないのですが、知事はこれらを拒否しても処罰されないとなっています。知事の判断にあたって都道府県議会の意向は重要な要素となります。
母国の兵役義務に服したり母国の国会議員になったりする可能性のある外国人に参政権を与えた場合、不幸にしてその母国と日本が対立する有事の際、日本の国益に立った参政権の行使をしてくれるとは限りません。
現行制度でも日本に「帰化」したら参政権は得られますが(毎年平均して1万5千人程度が帰化している)、帰化せずに母国の国籍を守っているということは、有事の際に日本と命運をともにして下さる保証もないと考えざるを得ないのです。私はむしろ帰化手続きの簡素化に力を入れようと考えています。
また「税金を納めているから参政権を得る権利がある」ということになると、低所得で税金を納められない日本人には参政権は与えられないといった理屈も成り立ってしまいます。税金は、あくまで行政サービスやインフラ利用の対価と考えるべきでしょう。
更に、日本国憲法15条は、選挙権を「国民固有の権利」としています。今回の議員立法には憲法違反の疑いが有り、憲法調査会での審議も必要になります。「国際化」「人権」「友好」といったキャッチフレーズに踊らされて短期間で成立させるような軽い法律ではなく、かなり慎重かつ深い議論が必要だと思っています。