民主党にハシゴを外された菅内閣の機能停止
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先週末には円相場が戦後最高値を更新し、自民党では早急な対策を求める声が噴出していますが、内閣や与党に動きは見られません。
菅総理は、土曜日を首相公邸で過ごされたようですが、昨日の朝刊では「報告に訪れる財務省幹部の姿はなかった」と報道されており、この非常時にあって内閣そのものが機能していない様子です。
自分たちで作った内閣を支えるべき民主党はというと、菅総理が明確な辞任日を発表したわけでもないのに、8月に入ってからは代表選挙への出馬を宣言する方が相次ぎ、早くから実質的には「代表選挙」に突入しているような状況です。
改革派イメージをアピールしていた方々が次々に「小沢詣で」をしているといった報道に接するにつけ、過去に派閥政治を批判していた民主党の面影はどこにもありません。
せっかく通常国会の会期を大幅に延長したのに、震災や原発事故の被災者対策、円高対策、未だ審議されずに放置されている多くの法律案などは民主党議員たちの眼中にはない様子で、既に「長期の政治空白」となってしまっています。
自民党政権末期にも、総理の支持率が下がり始めると、テレビに出演しては総理の悪口を言って退陣に追い込もうとする数名の自民党議員がいました。
党首や総理の人気が自らの選挙結果に直結してしまう小選挙区制度が導入されて以降、このような傾向が顕著です。
しかし、私は、自らが国民の代わりに衆議院本会議場に於ける首班指名選挙で記名投票の1票を投じて選んだ総理については、支持率に関係なく最後の1日まで支え続けることが与党国会議員の責任だと思っています。
与党議員だった頃には、いくらマスコミで叩かれても、常にそのように行動してきたつもりです。
民主党のお祭り騒ぎと与党からハシゴを外されて機能停止状態の菅内閣を見ていると、3月の大震災発生以降、野党の立場でありながらも菅内閣に全面的に協力し、夜を徹して被災者救済に資する法改正案や補正予算案、電力需給対策案などを作成してきた苦労が全て馬鹿らしく思えています。