自民党への批判が余りにも悔しい昨今
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先月の統一地方選挙期間中は、電力需給対策に関する政府への第一次提言を取りまとめる作業に追われ、自分の選挙区に入る時間は殆どありませんでした。
それでも、奈良県内だけではなく県外でも応援演説のご依頼をいただいた保守系候補者については、何度か日帰りを繰り返しながら応援をしておりました。
今回の地方選挙応援の際、あまりにも悔しくてつらいと感じたのは、次のような有権者のお声でした。
「大震災で大変な時なのだから、自民党は菅内閣の批判をするべきではない」
「谷垣総裁は、何故、大連立を断ったのだ。非常時なのだから、一致団結するべきではないのか」
「震災対策にしても、原発事故対策にしても、自民党は何もしていないじゃないか」
3月11日の東日本大震災発生以降、自民党は、緊急時だからということで、菅内閣に協力をし、国会論戦でも民主党政権批判を極力控え、内容的には不満のある法律案の可決にも応じてきました。
しかし、被災者救済策にしても、震災対策に必要な財源の捻出方法(年金財源の流用やバラマキ政策を続行したままでの増税論)にしても、原発事故対策にしても、菅内閣のやり方が間違っていると思う点が多くあります。
菅内閣の対応については、被災者だけではなく多くの国民の不満の声が新聞の読者欄に掲載され、私の事務所にも多数の手紙やメールが寄せられています。
野党第1党である自民党が、非常時だからという理由で菅内閣の行動の全てを黙認していては、何の改善もできません。
内閣をチェックする国会の存在意義さえ無くなってしまいます。
大連立についても同じです。
日本の政治が震災対策だけをやっていればいいのであれば、大連立にも一考の余地はあるのでしょうが、外交政策、安全保障政策、社会保障に関する給付と負担の問題などでは、菅内閣と自民党の考え方は正反対です。
少なくとも私自身は、民主党政権が進める「国民の依存心を煽るバラマキ政策」や「自虐史観に立った土下座外交」や「国防への無理解と無策」を全て容認することなど、絶対に不可能です。
「閣内一致の原則」がある中で、仮に大連立を受け入れて内閣に閣僚を送り込んだ場合、私たち自民党所属の国会議員は、政治家としての信念も良心も捨てて、菅総理の方針に従わなければならなくなります。
そうなると、未来の世代に対しても菅総理の誤った政策を容認した結果責任を負うことになる上、自民党出身閣僚が閣内で反対意見を述べた場合には、閣内不一致の責任を問われることになります。
谷垣総裁が、大連立について慎重な姿勢に終始したことは、当然のことだと思います。
また、震災対策や原発事故対策について「自民党が何もやっていない」という誤解については、単に事実が報道されていないことによるものだと思います。
自民党では、震災発生当日から震災対策本部を設置し、被災者の方々をはじめ全国の国民の皆様からのご要望を丁寧に伺いながら、予算措置や法的課題まで詳細に検討を重ね、439項目もの「緊急提言」をまとめ、菅内閣への提言を続けてきました。
このゴールデンウィーク中に国会審議を行い成立したばかりの「第1次補正予算」の内容についても、急いで実行するべき対策を洗い出し、必要な予算額と財源を提示しながら、具体的な提案を行ってきました。
電力需給対策につきましても、これまでに本コラム欄でご紹介した通りです。
自民党議員の多くは、3月11日以来、少しでも菅内閣の対応が良いものになるようにと願いながら、睡眠時間を削って提言作成作業に真剣に取り組んできたのです。
これまで菅内閣が発表した震災対策には、自民党が提案した政策が多く含まれていますが、そのことを国民の皆様に伝える手段が無いのです。
こういった自民党議員の活動に関しては、谷垣総裁や石破政調会長や石原幹事長が定例記者会見の度に詳細に発表しておられるのですが、その内容が新聞やテレビで報道されることは殆どありません。
また、全国的に原油価格高騰や紙の不足が伝えられた中で、自民党所属国会議員は後援会新聞の発行やビラの作成なども自粛していますので、なかなか各自の活動に関する広報もできません。
しかし、私たちも歯を喰いしばって働いていること、閣外にあっても震災対策については菅内閣への協力を惜しまないできたことについては、少しでもご理解をいただけると嬉しいです。
今回は愚痴っぽくなってしまい、すみませんでした。