たちあがれ日本との連立に失敗した菅首相に言いたいこと
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「たちあがれ日本」が民主党との連立を拒否なさったことは、当然のご判断だと思いました。
現在の民主党政権は「極左政権」と呼んでもいいくらいの社会主義政策を進めていますので、骨太の国家観と保守主義政策を持っておられる平沼赳夫代表が率いる「たちあがれ日本」とは、政権を共有すること自体が不可能だったでしょう。
菅首相が、社民党に秋波を送り、一方で、社民党とは政策的に対極にあるたちあがれ日本にも連立を求めたということは、末期的症状だと言えます。
既に、首相として実現したい政策も無くなり、政治理念すら失ってしまったとしか思えません。
「衆参ねじれ」の中での国会運営が如何に困難なものであるかについては、昨夏まで、私たち自民党国会議員が痛感していたことです。
だからこそ、政権交代後、民主党政権が提案した法案であっても、良い内容のものには速やかに賛同してきました。
自民党の国対委員長や自民党の閣僚に無理難題を吹っかけた挙句に「何でも反対」だった野党時代の民主党とは違う「大人の野党」だと自負しています。
一方で、日本の未来に禍根を残すような酷い内容の法案に反対することは、野党として当然の責務だと割り切っています。
菅首相は「衆参ねじれ」を解消する為の「数合わせ」に必死の様子ですから、たちあがれ日本に連立を断られた今、新たな選択肢の模索をしておられることでしょう。
参議院の過半数は、122議席。
民主党の107議席と国民新党の3議席を合わせても、あと12議席足りない状況です。
みんなの党は参議院で11議席ですから、連立できたとしても1議席不足。
公明党は参議院で19議席ですから、連立できたら即過半数を得ることが可能です。
しかし、両党とも、現在の菅内閣の政策を評価して連立に応じるとは思えません。
社民党は参議院で4議席ですから、連立できたとしても参議院では足りません。
しかし、衆議院では6議席ありますので、社民党が与党に加われば、参議院で法案が否決されたとしても、衆議院では3分の2の多数で再可決することが可能となります。
また、社民党の思想は仙谷官房長官や輿石氏とも近く、「政策的野合」にはならないメリットもあります。
民主党と社民党の連立政権では、安全保障政策や外交政策では日本国にとって絶望的な状況が生まれるでしょうから、個人的には歓迎できませんが…。
そもそも「衆参ねじれ」が発生したのは、今夏の参院選で民主党が負けたことによるものです。
自民党政権だった3年前の参院選では自民党が大敗し、「衆参ねじれ」が発生しました。
野党時代の民主党は、「参院選の結果は直近の民意だ」として、早期の衆議院解散を主張しておられました。
今回も、「数合わせの野合」を模索するくらいであれば、自分たちが言っていた「直近の民意」を尊重して、早期の衆議院解散で国民の信を問い、選挙結果を受けた上での政界再編をなさればよいことだと思います。