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強行採決の「郵政改悪法案」は、WTO協定違反にならないのか?

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 一昨日(5月31日)は、昼間から深夜まで断続的に長時間の衆議院本会議が開催されました。
 夜の部で、民主党は「郵政改革(改悪)法案」を強行採決。
 

 小泉内閣時代には、国会で120時間以上の審議時間を費やして、衆議院解散までして国民の皆様の民意を問うた「郵政民営化」でした。
 その経緯が水泡に帰すことになる逆戻り法案が、今回は、僅か5時間余りの審議時間で強行採決されてしまいました。
 

 自民党が与党だった時には、私たちの質問時間を野党議員に譲り、十分な審議時間を確保し、野党からの法律案修正要求にも真摯に応えながら、丁寧に国会運営をしてきました。
 数十時間の審議の後に採決しても、当時の野党は「強行採決だ」と言って大騒ぎしていました。
 

 民主党の小沢幹事長は、国会改革の必要性を訴えておられましたが、参議院議員選挙に向けて、郵便局長の票を確実にもらう為に、滅茶苦茶な国会運営を主導しています。
 

 さて、この「郵政改革(改悪)法案」ですが、次の内容について、米国とEUが問題視しているようです。
 

第1に、「郵貯加入限度額の引き上げ」(1000万円から2000万円に)
 

第2に、「かんぽ生命保険加入限度額の引き上げ」(1300万円から2500万円に)
 

第3に、「グループ内の取引にかかる消費税の減免」
 

第4に、「銀行業・保険業法の特例」
 

 5月10日には、米国とEUから、大使の書簡で「郵政改革法案は、日本郵政に対し、他の企業より有利な待遇を与えるものである」という指摘があったようです。
 

 5月21日には、日本の大使と米国・EUのジュネーブ大使が協議したそうです。
 

 「WTO・サービスの貿易に関する一般協定」第17条(内国民待遇)の1は、「加盟国は、その約束表に記載した分野において、且つ、当該約束表に定める条件及び制限に従い、サービスの提供に影響を及ぼす全ての措置に関し、他の加盟国のサービス及びサービス提供者に対し、自国の同種のサービス及びサービス提供者に与える待遇よりも不利でない待遇を与える」としています。
 

 そして、日本は、銀行・保険という金融サービスについて、内国民待遇を約束しています。
 

 「郵政改革(改悪)法案」の諸規定は、国内でも民業圧迫になると思いますが、鳩山内閣には、WTOの紛争解決手続を開始されたりしないように、注意して欲しいものだと思います。
 

 いずれにしても、国内金融業界や国会議員から様々な懸念の声が上がっているにも関わらず、質疑応答の機会を封殺して、数の暴力で次々に変な法案を通していく民主党の姿勢は、余りにも傲慢で、異常と言う他ありません。

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