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「勝手に国連サミット」 その1

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 9月5日から9日まで、3泊5日という時差ボケが最もつらいと言われるハード・スケジュールでニューヨークに行って来ました。
 例によって、下村博文代議士、世耕弘成参議院議員、山本一太参議院議員、そして私の4人組は「勝手補佐官の勝手に国連サミット」という企画を立てたのです。 国連ミレニアム・サミットで総会演説をなさる森総理を別働隊で勝手に補佐する目的です。
 勝手についていくわけですから、総理と一緒に政府専用機に乗せてもらうわけにはいかず、飛行機もホテルも安いのを探して自腹で手配。結構ショボい貧乏旅行となりましたが、我々は大張り切りでニューヨークに乗り込みました。
 
 5日の朝に成田を出たのに、時差の関係でニューヨーク到着も5日朝です。 
 そのまま空港から直行で、カッター元国家経済委員長に面談しました。今は投資会社の役員ですが、11月の大統領選挙で民主党が勝ってゴア大統領が誕生すれば政権入りが予想される人物です。
 「森内閣になってから日本の規制緩和への取り組みが弱まった印象を受ける」とのカッター氏の指摘には私達から反論と説明をしました。 
 私から「クリントン大統領は、国家公務員の大量解雇、増税、メディケア(高齢者医療)のカットなど、国民に重い負担を強いる政策を断行してきたが、国民やメディアをどう説得したのか」と訊ねると、「現在我慢してもらうことによって実現出来るアメリカの国家像や長期ビジョンを明確に示すことで、未来への安心感を与えて国民の理解を得た」とのお答え。これは森政権にも必要な姿勢だと思いました。 
 その後、国連に行って、フレシェット副事務総長に面会。「国連加盟国は189ヶ国もあるのに、日本は一国で20%以上の財政負担をしています。それなのに安保理事会の常任理事国になれない上、旧敵国条項に国名があるなんて、ひどいですぅ」と訴えてみましたら、「個人的にはご意見に賛同します。日本政府はもっと積極的に発言し、行動すべきですよ」とハッパをかけられました。
 

 夕方になってやっとこさホテルにチェックインし、荷ほどきをした私達は、政府専用機でニューヨークに入ってくる森総理の出迎えに再び街に出ました。 
 総理のお泊まりはウオルドフ・アストリアという最高級ホテルで、クリントン大統領と同じ宿です。北朝鮮の金永南委員長ご一行も同宿のはずでしたが、アメリカン航空に搭乗する際に検査でジャケットと靴を脱がされたとかで、怒って帰っちゃったらしく「当日になってワンフロア一丸ごとキャセルされたホテルのキャンセル料は誰がはらうんやろうなあ」「アメリカン航空の粗相やからやっぱりアメリカ政府が払うんやろ」などとワイワイ言っているうちに総理がご到着。 
 この夜は、けなげな私達に総理が夕食をご馳走してくださると聞いていたので「じっとウオルドルフ・アストリアのレストランでフランス料理やで。ゴージャスやなあ」と楽しみにしていたのです。昼食も控えめにしてお腹をすかせていた程でした。 
 なぜか総理の部屋に、おにぎりとソバが運びこまれました。ニコニコ顔で総理が勧めて下さいました。「さあ、遠慮せずに食べなさい」 
 おにぎりとソバで2時間に渡る夕食会を終えた私達は「なんでニューヨークまで来て総理のダイエットにつき合わなんならんねんっ」と言いながら自分たちのホテルに戻りました。深夜でホテルのルーム・サービスも終了しており「ひもじいよお~」と泣きながら眠った初日でありました。

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