外国人参政権阻止シリーズ⑭:日韓併合条約が参政権付与の根拠?
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○鳩山由紀夫内閣総理大臣(平成22年1月12日 記者団に)
日韓併合の100年というタイミングでもあるということで、(外国人参政権について)色々と検討している最中と理解している。
○原口一博総務大臣(平成22年1月14日 日本外国特派員協会)
自分の意思に反して(日本に)連れてこられた人が地方で投票の権利を持つのは、日本の国家として大事なことだ。
○仙谷由人国家戦略担当大臣(平成22年1月15日 大臣記者会見)
戦前の(朝鮮半島への)植民地侵略の歴史があり、その残滓としての在日問題が関わっているので、その方々の権利保障を十二分にしなければならない。地方参政権も認めていくべきだ。
鳩山内閣が、「韓国併合に関する条約」(日韓併合条約)によって明治43年8月より日本国籍を取得することとなった朝鮮人とその子孫に対する「謝罪の意」をもって外国人参政権を実現しようとしていることが分かります。
原口一博総務大臣が言う「自分の意思に反して(日本に)連れてこられた人」についても、その対象の確定は難しい論点となります。
4月2日にこのサイトに全文をアップした昭和34年の外務省発表資料の検証が重要なポイントになると思います。
「在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに、戦時中の徴用労務者について」という外務省資料では、次のような調査結果が示されていました。
○当時は、朝鮮人も日本国民であったから、国民徴用令によって、内地の日本人と同じ様に戦時徴用を受けたものである。
○内地の日本人から先に徴用され、朝鮮人徴用はできる限り差し控えられたので、徴用があったのは、終戦前年からの僅か6ヶ月間だけだった。
○戦争中に内地に移り住んだ朝鮮人は、約100万人。
そのうち約70万人は、自ら内地に職を求めてきた個別渡航と、出生による自然増加によるもの。
残りの30万人の大部分は、工鉱業、土木事業等、募集に応じて自由契約に基づき内地に渡来した者だった。
○国民徴用令により導入されたいわゆる「徴用労務者」の数はごく僅かだった。
○1945年終戦直前に日本内地に居住していた朝鮮人の総数は約200万人だったが、1945年8月から1946年3月までの間に、日本政府による配船や個別引揚げによって、約140万人が朝鮮へ引揚げた。
○引揚げにあたっては、復員軍人、軍属および動員労務者等には、特に優先的便宜が与えられていた。
○朝鮮へ引揚げずに、自らの意思で日本に残った者の大部分は、早くから日本に来住して生活基盤を築いていた者だった。
○戦時中に渡来した労務者や復員軍人、軍属などは、日本内地になじみが少ないだけに、終戦後日本に残った者は極めて少数だった。
戦争が繰り返された不幸な時代に、自らの国籍を変更しなければならなかった方々が民族としての誇りを傷付けられ、多くの困難に直面されたことには、深く思いを致さなくてはなりません。
しかし、一方で、当時の国家が「正統な条約」に基づいて獲得した諸権益に基づく事象への反省から外国人への選挙権付与が必要だということになると、世界中を巻き込む議論になってしまいます。
仮に「終戦当時は日本残留を選んだが、現在は祖国に戻りたいと切望している」という方々が居られるのであれば、日本の選挙権を付与するよりは、政府として「帰国支援」を行うことの方が理に叶っていると感じます。