外国人参政権阻止シリーズ②:国益への影響
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○高市早苗委員
地方参政権であれば、国益というものには関係ないと、総理はお考えですか?
○鳩山由紀夫内閣総理大臣
色々とそれは国益につながる議論というのは有ると思います。
地域における、例えば基地の問題とか安全保障の議論と言うのが、あるいは有るかもしれません。
○高市早苗委員
地方参政権であっても国益に係る、例えば基地の問題と関わる、そう総理は答弁されました。
それでは、何故、地方参政権なら良くて、国政参政権は駄目なんでしょう。もう1度、整理してお願いします。
○鳩山由紀夫内閣総理大臣
ですから、その辺の議論を、しっかりとこの国会の場で行っていただく必要があるのではないか。
その地域、地方の選挙権を付与することによって、どのくらい国益に影響を与え得るのか、そのようなことは余り現実としては考える必要はないのか、そういうところも併せて徹底的に議論される必要があるのではないか(後略)。
昨日に続き、2月9日の衆議院予算委員会に於ける質疑応答を紹介しました。
最高裁判決は「地方公共団体は我が国の統治機構の不可欠の要素をなすもの」としていますが、言うまでもなく、地方政治と国益は密接な関係を持っています。
国益に係る課題が「住民投票」や「市町村長リコール」の争点となったケースは多くあります。
昭和56年には、高知県窪川町(旧窪川町・現四万十町)で、原発誘致派町長がリコールされています。
昭和61年には、神奈川県逗子市で、池子米軍家族住宅建設計画を巡る市長解職請求の住民投票が行われた。リコールは成立せず、建設反対派市長が続投しています。
平成8年には、沖縄県で、「米軍基地の整理縮小」について個別型条例に基づく住民投票が実施され、89%が米軍基地の整理縮小に賛成という結果が出ました。
平成18年には、山口県岩国市で、「米空母艦載機移駐案の受け入れ」について常設型条例に基づく住民投票が行われ、80%が移駐案受け入れに反対という結果が出ています。
また、法律上も、国家安全保障と地方行政の関係は深化しています。
「周辺事態安全確保法」では、周辺有事で日本の安全が脅かされた場合、自衛隊による陣地設営、地方公共団体管理の空港・港湾・病院等を使用するには、知事の協力が必要とされています。知事はこれらを拒否しても処罰されません。
「国民保護法」にも、武力攻撃事態等の、「避難」、「救援」(食糧・医療・収容施設供与)、「武力攻撃災害への対処」につき、都道府県と市町村の役割が明記されています。
選挙の洗礼を受ける知事や市町村長の判断には、地域住民の世論や地方議会の意思が大きな影響を及ぼすことは明らかでしょう。
外国人参政権推進論者には、「外国人に付与するのは地方参政権だけだから、日本の国益には何の影響も与えない」と主張される方が多いようですが、明らかに認識が甘いと思います。
鳩山総理大臣の「地方の選挙権を付与することによって、どのくらい国益に影響を与え得るのか、そのようなことは余り現実としては考える必要はないのか、そういうところも併せて徹底的に議論される必要があるのではないか」という答弁も、余りにも無責任な態度だと言わざるを得ません。
昨年の民主党の政策INDEXには外国人への地方参政権付与が明記されています。
その民主党の党首であり、一国の国益を担う総理大臣でもある方が、今頃になって国益への影響について十分な分析もしていないことを明らかにし、その議論を国会に丸投げするという姿勢に終始されること自体、民主党の無責任体質を示していると思います。
次回は、普天間基地移設への影響について書いてみたいと思います。