北澤防衛大臣のがっかり答弁①
更新日:
☆平成22 年3 月1 日 衆議院予算委員会第一分科会(防衛省所管事項の時間帯)
☆普天間飛行場移設先に関して
○ 高市早苗分科員
防衛大臣は、2月25日の国民新党の国会議員のパーティーで、国民新党が提唱しておられます「キャンプ・シュワブ陸上移設案」につきまして、「大体方向性は同じであり、その方向に今進んでいる」と発言された旨が報道されております。
まず、この御発言は、報道されている通りで間違いございませんでしょうか。
○ 北澤俊美防衛大臣
私も、テレビの画像を見まして、「ああ、そういうことを言っていたのかな」という風に確認は致しましたが、先生も長い国会議員生活の中で御承知と思いますが、友党あるいは同僚の議員のパーティーへ行くと、とかく持ち上げるような話もしますが、あの時は、国民新党としての案を私も見せていただいておりますので、「ああ、これほど沖縄出身の人が一生懸命になってやっているのかな」ということで、一部分共感するところもありましたので、パーティーの出席者が沖縄からも沢山おいでになっているということの中で申し上げた次第であります。
○ 高市早苗分科員
では、基本的にリップサービスということになるのでしょうか。
「大体方向性が同じで、その方向に今進んでいる」ということで防衛大臣がおっしゃったので、私の受けた印象では、「ああ、それだと、今キャンプ・シュワブの陸上部に滑走路を作り、そして、島に訓練というものを移転する、こういった方向性で、政府もそれを最有力案として検討している、こういったことを防衛大臣が表明されたんだ」と理解を致しましたけれども、それは違いますか。
○ 北澤俊美防衛大臣
御案内のように、官房長官を頂点として検討委員会が現在進んでおるわけでありまして、政府としての方針が固まったわけでもないし、また、今の段階で私がそれにコメントするというのは不適切であるというふうに思います。
そういう中で、多少誤解を与えたかもしれませんが、あのときは駄洒落を込めて申し上げておりまして、下地さん(下地幹郎衆議院議員・国民新党政審会長)は、下地(しもじ)だけじゃなくて下地(したじ)を作るのでも上手な人で、たびたび私に御提言をいただいておりますので、その下地さんがまさに天馬空を走るようなお方である、そういう全体の文脈の中で申し上げた次第であります。
この北澤防衛大臣のご答弁には、かなり驚くとともに、がっかりしてしまいました。
昨年11月19日にこのコーナーにアップした「普天間飛行場移設問題に関する質問主意書と内閣総理大臣からの答弁書」や、12月7日にアップした「普天間飛行場移設問題に関する再質問主意書と内閣総理大臣からの答弁書」をご覧いただくと分かりますが、閣議決定された答弁書では、検討中の移設先については類推できない様に、慎重に言葉を選んでいます。
ところが、北澤防衛大臣は、「友党同僚議員の政治資金パーティーでのリップサービスとして」、「駄洒落のつもりで」移設先に触れる発言をなさったというのですから、一瞬、耳を疑いました。
特に、大臣が示唆された「キャンプ・シュワブ陸上案」(国民新党提案)については、過去の自民党政権で作られた案に較べると「騒音や墜落の危険性」が増すことから、沖縄県知事はじめ地元住民が明確に反対の意向を示され、米国側も安全保障上の問題点を挙げて否定しています。
多くの関係者が神経質になりながら対応に苦慮されている状況下で、リップサービスや駄洒落で新たな苦悩を与えることだけは止めて欲しいと願います。