学生たちはインターンシップに
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近畿大学では、昨日やっと前期試験が終了し、学生たちは今日から夏休みに入りました。
高市ゼミの学生たち(3年生)は、夏休みを利用して、企業でのインターンシップに参加することになりました。来年になりますと就職活動で大変ですから、この夏は彼らが腰を据えて社会体験研修に取り組める最後のチャンスになると思います。
6月に、各人が研修してみたいと考えている企業名や業種名を聞き、各企業にインターン学生受け入れのお願いを開始致しました。
最近は大手企業を中心に、ネット上で「インターン学生募集」と提示されている企業も増えてきましたが、インターン期間が大学の前期試験や資格試験の時期と重なってしまっていたり、関西エリアでの研修が無かったりと、なかなか条件が合いません。
そこで、インターネットで各企業の住所を調べては社長宛に手紙を書いてゼミの研修趣旨をお伝えしたり、訪問をして頼み込んだり・・と、7月中は汗だくで走り回りました。
実際に学生がお邪魔することになると、社員の方々の貴重な業務時間を学生の指導の為に割いていただくこととなるわけですから、企業にとっては迷惑な話であろうと恐縮しながらのお願い行脚でした。
当然のことながら、「インターンを受け入れたことはないので、とても対応できません」「個人情報を扱う業種ですので、外部の方は入れられません」と断られた企業も何社か有ったものの、多くの企業が学生の受け入れを快諾して下さいました。
「当社にとっては初めての経験ですが、若い方に当社の業務内容に興味を持っていただくことは有難いですから」「ゼミで設定された体験研修のご趣旨に大いに賛同します」「むしろ、うちの社員にとって良い刺激になることを期待しています」等々、もったいないお言葉も沢山賜りました。
突然の厚かましいお願いに対応して下さった各企業の皆様に深く感謝申し上げつつ、9月末にはひと回り逞しくなって戻ってくるであろうゼミ生たちに会えるのを楽しみにしているところです。
ゼミ生をインターンシップに参加させてみたいと考えたきっかけは、若者の「職業観」の変化に不安を覚えたことでした。
他大学に通っておられるご子息の就職について私の所に相談に来られる方が、結構居られるのです。
ところが、親御さんに連れられて私に会いに来る学生さんの殆どが、具体的な希望を言えません。「大手企業ならどこでもいいです」「営業とかキツイ仕事は嫌です」といった具合で、「何か将来の夢は無いの?」「まず、目標を定めて自分で努力してみようよ」などと声をかけても無反応。
昨年、「息子は大学を卒業してから3年間も家でブラブラしている。何とか働き口を紹介して下さい」と親御さんに泣きつかれて、断り切れずに友人が経営する企業を紹介したことがあったのですが、ご本人が苦労して得た職ではないですから、「思ったほど仕事が面白くなかった」と言い残して3ヶ月で退職してしまわれました。
昔は、「一生の仕事」という覚悟で就職先を探したものですが、現在は、卒業後3年以内の離職率を見ると、中卒で72・3%、高卒で48・9%、大卒で35・4%となっています。
また、産業界が求める人材能力と学校教育内容のミス・マッチも深刻です。産業界からは学生の「問題設定能力不足」「意欲低下」「目的意識欠如」「対話能力不足」「実体験不足」等が指摘されています。
幸い、高市ゼミの学生たちは将来の目標が明確な人が多く、あまり心配はしていないのですが、それでも「憧れの職業」の現実の厳しさや社会人のルールに少しでも触れさせていただくことで、改めて職業というものを考え、自分に足りないものは何かを見つけることが出来たなら、残り1年半の学生生活の過ごし方も変わってくるのではないかと思ったのです。
米国では、20世紀初頭には「実社会と学校を往復しながら学ぶこと」の意義が唱えられ、インターンシップが定着しています。ヨーロッパ各国でも、1990年代から起業家教育に力を入れているようです。
学校の売店の仕入れから帳簿付けまでを子ども達が担当したり、生徒の親が経営するスーパーの売り出し広告を考えたり、既存製品の新しい利用法を考えたり、近所のレストランが廃業した理由を考える等、身近な所で教材を見つけていると聞きます。
日本でも、一部の地方自治体や学校では起業家教育が始まっており、地域の企業や商店での社会体験学習に参加した子ども達は大きく成長しています。
社会体験後の感想文には、「親の苦労が実感でき、感謝の気持ちを持つようになった」「自分では気付かない自分の良さを発見した」「時間を守ること、根気良く続けること、挨拶の大切さを実感」「働いてみて、学生は自由な時間に恵まれていることに気付いた。目標に向けて有意義に過ごしたい」等の前向きな思いが綴られています。ただ、保護者や教師からは「受験を優先すべき」「授業が遅れる」との不安の声も・・。
起業家教育のメリットを認める国民的コンセンサス作りや導入時間の確保が不可欠ですし、指導教員の育成や教材整備も必要ですね。
高市ゼミの学生たち(3年生)は、夏休みを利用して、企業でのインターンシップに参加することになりました。来年になりますと就職活動で大変ですから、この夏は彼らが腰を据えて社会体験研修に取り組める最後のチャンスになると思います。
6月に、各人が研修してみたいと考えている企業名や業種名を聞き、各企業にインターン学生受け入れのお願いを開始致しました。
最近は大手企業を中心に、ネット上で「インターン学生募集」と提示されている企業も増えてきましたが、インターン期間が大学の前期試験や資格試験の時期と重なってしまっていたり、関西エリアでの研修が無かったりと、なかなか条件が合いません。
そこで、インターネットで各企業の住所を調べては社長宛に手紙を書いてゼミの研修趣旨をお伝えしたり、訪問をして頼み込んだり・・と、7月中は汗だくで走り回りました。
実際に学生がお邪魔することになると、社員の方々の貴重な業務時間を学生の指導の為に割いていただくこととなるわけですから、企業にとっては迷惑な話であろうと恐縮しながらのお願い行脚でした。
当然のことながら、「インターンを受け入れたことはないので、とても対応できません」「個人情報を扱う業種ですので、外部の方は入れられません」と断られた企業も何社か有ったものの、多くの企業が学生の受け入れを快諾して下さいました。
「当社にとっては初めての経験ですが、若い方に当社の業務内容に興味を持っていただくことは有難いですから」「ゼミで設定された体験研修のご趣旨に大いに賛同します」「むしろ、うちの社員にとって良い刺激になることを期待しています」等々、もったいないお言葉も沢山賜りました。
突然の厚かましいお願いに対応して下さった各企業の皆様に深く感謝申し上げつつ、9月末にはひと回り逞しくなって戻ってくるであろうゼミ生たちに会えるのを楽しみにしているところです。
ゼミ生をインターンシップに参加させてみたいと考えたきっかけは、若者の「職業観」の変化に不安を覚えたことでした。
他大学に通っておられるご子息の就職について私の所に相談に来られる方が、結構居られるのです。
ところが、親御さんに連れられて私に会いに来る学生さんの殆どが、具体的な希望を言えません。「大手企業ならどこでもいいです」「営業とかキツイ仕事は嫌です」といった具合で、「何か将来の夢は無いの?」「まず、目標を定めて自分で努力してみようよ」などと声をかけても無反応。
昨年、「息子は大学を卒業してから3年間も家でブラブラしている。何とか働き口を紹介して下さい」と親御さんに泣きつかれて、断り切れずに友人が経営する企業を紹介したことがあったのですが、ご本人が苦労して得た職ではないですから、「思ったほど仕事が面白くなかった」と言い残して3ヶ月で退職してしまわれました。
昔は、「一生の仕事」という覚悟で就職先を探したものですが、現在は、卒業後3年以内の離職率を見ると、中卒で72・3%、高卒で48・9%、大卒で35・4%となっています。
また、産業界が求める人材能力と学校教育内容のミス・マッチも深刻です。産業界からは学生の「問題設定能力不足」「意欲低下」「目的意識欠如」「対話能力不足」「実体験不足」等が指摘されています。
幸い、高市ゼミの学生たちは将来の目標が明確な人が多く、あまり心配はしていないのですが、それでも「憧れの職業」の現実の厳しさや社会人のルールに少しでも触れさせていただくことで、改めて職業というものを考え、自分に足りないものは何かを見つけることが出来たなら、残り1年半の学生生活の過ごし方も変わってくるのではないかと思ったのです。
米国では、20世紀初頭には「実社会と学校を往復しながら学ぶこと」の意義が唱えられ、インターンシップが定着しています。ヨーロッパ各国でも、1990年代から起業家教育に力を入れているようです。
学校の売店の仕入れから帳簿付けまでを子ども達が担当したり、生徒の親が経営するスーパーの売り出し広告を考えたり、既存製品の新しい利用法を考えたり、近所のレストランが廃業した理由を考える等、身近な所で教材を見つけていると聞きます。
日本でも、一部の地方自治体や学校では起業家教育が始まっており、地域の企業や商店での社会体験学習に参加した子ども達は大きく成長しています。
社会体験後の感想文には、「親の苦労が実感でき、感謝の気持ちを持つようになった」「自分では気付かない自分の良さを発見した」「時間を守ること、根気良く続けること、挨拶の大切さを実感」「働いてみて、学生は自由な時間に恵まれていることに気付いた。目標に向けて有意義に過ごしたい」等の前向きな思いが綴られています。ただ、保護者や教師からは「受験を優先すべき」「授業が遅れる」との不安の声も・・。
起業家教育のメリットを認める国民的コンセンサス作りや導入時間の確保が不可欠ですし、指導教員の育成や教材整備も必要ですね。