対日投資促進を!
更新日:
私が経済産業省から海外出張に出るときに持っていく英文名刺には「インベスト・ジャパン」の文字が記されています。外国企業に対して対日投資を呼び掛けるキャンペーン名刺なのです。
コスト軽減を期して、多くの製造業が中国に工場を移転。当然のことながら日本国内では失業者が発生し、急に注文を貰えなくなった下請け企業も苦しむこととなり、今や産業空洞化は多くの国民の関心事項となっています。国内の事業主体が減る一方では、日本の未来はありません。雇用機会のみならず国家の税収も減るのですから。
資産デフレ下で一時的な資金調達難に陥っている中小企業には、中小企業金融公庫や商工中金や信用保証協会を通じて政策金融支援をしていますし、新しくビジネスを起こす方々への起業支援メニューも徐々に充実させてきました。経済産業省では、これ以上事業主体を減らさない為の努力は精一杯行なってきたつもりですが、今年からは、むしろ積極的に外国企業を日本に呼び込むことで事業主体を増やそうとしています。
昔は外資といえば「ハゲタカ・ファンド」の悪いイメージがありましたが、日産とルノーの提携が成功し、同じくフランス資本であるカルフールでも沢山の日本人が働いています。この不況下でも東京のブランド・ショップは大盛況で、周辺地価が上昇する効果まで出ています。
外国企業の対日投資は、日本人の雇用機会の拡大に繋がるだけでなく、新しい技術や革新的経営をもたらすことでも期待されています。
フランスには、「対仏投資庁」という外国企業誘致専門の役所まで有って、そこの長官が来日時に会いに来て下さったのですが、私より1才年上の女性でありました。まさに世界の国々が企業誘致競争をする時代に入ったのだと思います。
小泉総理も、今年の1月の施政方針演説で「5年後には日本への投資残高倍増を目指す」とされ、経済産業省では、外国企業誘致に熱心な地方自治体等への支援を始めました。今年度は、1地域あたり約6000万円の予算で5地域を採択。
大阪はバイオ産業、仙台市は欧州の健康福祉産業、兵庫は医療関連産業誘致と、地域の特性を見事に捉えた計画の成果に大いに期待しています。