コラム

　最近は、新幹線に乗ると必ず「持ち主の分からないお荷物がございましたら、乗務員にお知らせ下さい」というアナウンスが流れます。　　　
　
　今週、私の座席真上の網棚に大きな紙袋が載っていました。隣は空席でしたから、「後席の方の荷物かしら。それとも、もしかして爆弾・・？」と心配になりました。
　よっぽど車掌さんに言おうかと思いつつも、真後ろに座っているコワそうなおじさんの荷物だったら大変だし・・。泣き出したい気持ちで読書にも集中できずにいるうちに、列車は名古屋駅に到着。後の暴力団風ルックスのおじさんが網棚の紙袋を抱えて降りていった時には、体中の力が抜けました。
　
　先々週は、京都駅で実に「怪しげ」な若い男性を発見。どのように怪しげなのかを私の文章力で表現するのは困難なのですが、とにかく服装も挙動も非常に不審に見えたのです。　　　　
　５分後、列車に乗ってびっくり。なんと、その男性が私の前の席に座っているではありませんか。周囲の人も気味悪げにその男性をチラチラ見ています。
　「こ、今度こそテロリストかあっ」とビビリました。彼の手には箱状の物が入った紙袋が・・。
　数十分後、彼はその紙袋を車内のゴミ箱に捨てました。一緒に居た弟が勇気を振り絞ってゴミ箱を覗きに行きました。「姉ちゃん、爆弾やないで。豚まんの空箱やった」。
　
　先週の拙稿で空港・港湾など水際でのテロ対策に触れましたが、「鉄道テロ対策」も随分強化されました。

　３月に警察庁が全国の警察本部に対して、新幹線や主要駅の警戒強化を指示。駅構内で警察官の姿をよく目にするようになりました。警察犬を活用した巡回もしていただいているそうです。駅や車内のみならず、変電所やトンネルや橋のパトロールも行われています。
　鉄道会社の自主警備も強化されており、防犯カメラ設置や巡回警備に取り組んでいただいている様です。東京の地下鉄駅でも、ゴミ箱が姿を消しました。
交通機関だけでなく、大規模イベント会場やライフライン施設、原子力関連施設警備や周辺検問も強化されています。

　政府には是非とも、十分な取り組みと情報提供によって国民の不安を除いていただきたいと思います。
それから、お互いに、列車内では荷物は自席の真上の網棚に置きましょうね。紛らわしいですもん・・。