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コンピューター犯罪対策の重要性

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 5年前には3割台だったパソコンの世帯普及率が、今では7割を超えています。70歳過ぎの私の母もパソコン教室に熱心に通っておりますが、子供から高齢者まで情報社会にどっぷりの昨今。

 調べ物やデータ管理や通信には便利な時代となりましたが、情報セキュリティー関連トラブルは多発しています。
 2000年1月に各省庁のウェブサイトが改竄された事件等の「ホームページ改竄」、2002年2月に宇宙開発事業団の超高速インターネット衛星受注に当たってライバル会社の機密情報を入手した事件等の「不正アクセス」、ここ3年で世界中に被害が発生した「ウイルス・ワーム」、2002年4月と10月に発生した「Dos攻撃」、2002年8月に防衛庁のシステム開発資料の一部が流出した「機密情報漏洩」、2002年に多発した住民基本台帳や金融機関等からの「個人情報漏洩」、昨年シティーバンクで被害の有った「漏洩個人情報による詐欺」などなど・・。
 
 6年前から、政治家として個人情報保護や産業スパイ対策に資する2本の法律制定に尽力してきましたが、まだまだ法整備は十分でなく、犯罪は多発しています。犯罪対策規制の必要性を訴えると、その都度、「通信の秘密は保障されるべきだ」「言論・表現の自由を束縛しないか」「ログ保存義務は企業に負担が大きい」等の慎重論が出て、中途半端な内容になってきたのです。
 
 近年は、前述の犯罪に加えて、匿名性を利用した卑劣な個人攻撃も深刻化している様に思えます。
 昨年の総選挙では、私も含めて多くの候補者が、インターネットを悪用した落選運動に苦しみました。多くのサイトに中傷文書を掲載され、その内容が口コミで浸透していくのが分かるのですが、候補者には対抗手段が有りません。候補者側は、選挙期間中に反論ビラを配布することも自らのホームページに新規の書き込みをして反論を掲載することも禁じられているからです。
 特定企業のイメージダウンを狙った書き込みも多発していますし、勤務先企業のホームページに自分の悪口を書き込まれて退社に追い込まれた事例も有ります。
 
 名誉毀損で告訴しても、インターネットカフェを利用した犯罪だと、捜査は難航。私の場合は、弁護士から「警察にコンピューター犯罪に対応できる人材が殆ど居ないので、犯人逮捕は期待しないで下さい」と言われました。
 今国会提出予定の刑事訴訟法改正案は「犯罪捜査の為にプロバイダーに一定期間のログ保存を要請」できる内容。罰則規定も無いので中途半端な気はしますが、一歩前進です。
 インターネットカフェ利用者に身分証提示義務付けが出来れば、更に犯罪は減るでしょうし、警察官の情報犯罪捜査研修も充実させて欲しいなと思います。

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